12月7日に第2回精神障害者就労定着支援連絡会を開催致しました。
今回のテーマは「精神障がい者を雇用するとはどういうことか〜定着のカギは情報共有にあり〜」と題し、第1回に引き続き集合型で約60名の皆様にご参加いただきました。
昨今障害者雇用関連は様々な動きがあり、また雇用の有り様も多様化していく中、つい先の動きに目を向けがちになってしまいます。しかし基本に立ち返り日常の実践を見つめ直すことで、「連携と情報共有の大切さ」や「支援の質」を皆さんとブラッシュアップしたいと考え開催致しました。
まずは話題提供として、三鷹市障がい者就労支援センターかけはし 施設長 海老原 惠理子氏より、就労する上での精神障がいへの理解のポイントと企業担当者や支援者が心がけたいこと等を実践例を交えてご発表頂きました。
ご講演の中では、精神障害の方を支援する中で心がけていきたいのは「精神障がいがあることを特別なことと捉えすぎないこと」、例えば【精神障がいのある◯さん】ではなく、【◯さんの持つ特徴(属性)のひとつ】として障がいを捉えること、様々な答えは本人の中にあると捉え、コミュニケーションを取ること、
「企業と支援機関等はタイムリーに情報共有や支援を行っていくこと、関係者を信頼し、任せる時は任せて連携していくこと」等をお話しいただきました。
次に社会福祉法人村山苑 総務課長 杉山氏とオープナー高橋、株式会社ダブリュ・アイ・システム EC営業部長 本多氏とオープナー川田の2組から実践報告をご発表頂きました。
社会福祉法人村山苑の杉山氏・オープナー高橋の2名からは、現場の上司ではなく法人本部のお立場として、ご本人が変化に揺れた際の支援機関との連携についてご発表頂きました。2つのエピソードの展開をていねいに追いながら、それぞれがどう見立て本人理解を行ったか、どう調整していったか具体例を挙げていただきました。また、現場と本部(総務)側との連携、支援機関との連携などつなぐ役割から見えるものについてもご発言頂きました。
株式会社ダブリュ・アイ・システムの本多氏・オープナー川田の2名からは、本多氏が障害者雇用には関わりが薄かった部署におられたご経験から、どのようにご自身や部署が受け入れ準備を行ったか、社内での仕組みを構築したプロセスをご発表頂きました。
本多氏からは、「疾患理解も大切。日々のコミュニケーションが必要とはよく言われることだが、障がい者雇用においては、ただ日常的な雑談を多くするだけではなく、もっと障害特性や背景に踏み込んだ理解を促進する必要性がある」とのご発言がありました。また、社内で各種情報共有ツールを活用されて実感として、ツールに頼り切るのではなく、日々の見守りとリンクして見ていくことの大切さも話題に上がりました。
最後に今回はご参加された皆さまを6人程度のグループに分け、名刺交換や自己紹介、今回のテーマである「定着」「情報共有」について意見交換を行いました。コロナ禍により直接関係機関の方と顔を合わせて話が出来る機会が減っていたこともあり、時間が超過する盛り上がりとなりました。
アンケートにも、「こういった直接機会がないので有意義だった」「企業・支援機関・医療機関など様々な立場からの意見が直接聞けてよかった」などの感想を頂き、総論として、各発表・意見交換どちらでも「本人(当事者)を主体・中心としたやりとり・情報共有を行う」大切さや、情報を能動的に取りに行く・連携していく姿勢が必要と話されていたのが印象的でした。
今回の内容は2024年にオンデマンド版としてお申込みの皆様に配信予定となっています。
今後も雇用や就労定着をさまざまな考える企画を開催していきたいと思っております。
ご参加頂きました皆様、講師の皆様、ありがとうございました。
障害者就業・生活支援センターオープナー
高橋 智子