[報告]多摩就労支援ネットワーク会議

オープナー 2024/08/07

7月19日に立川地方合同庁舎にて「多摩就労支援ネットワーク連絡会議」を開催いたしました。
この会は普段連携させていただいている皆様に、オープナーで行っている事業や活動を知っていただくこと、また障害者雇用に関する旬な話題を提供することを目的としています。

第1部として、オープナーの令和5年度の実績と受託事業(精神障害者就労定着連携促進事業・障害者中小企業応援連携事業)および今年度の方針について報告を行いました。

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第2部では、「障害学生・若者が社会や職場の中で活躍するためには」と題し、若年・若者の現状をテーマに、教育(大学)・地域の機関から課題について語っていただきました。近年、オープナーでも在学中のご本人やご家族、新卒ハローワーク等から新規相談が徐々に増えてきており気になるトピックでありました。

早稲田大学 ステューデントダイバーシティーセンター アクセシビリティー支援センターの工藤陽介氏からは、高等教育機関における障害学生の現状や大学における合理的配慮の捉え方、卒後社会へ出ていくことを見据えた時、在学中からどんな支援が必要になるのか等幅広くお話しいただきました。
具体的には学生個別の状況に合わせた効果的な情報提供が必要であり、早期からの様々な体験や情報に触れる機会の提供、希望や特性に応じた働き方や求人開拓の必要性、卒後就職を含め社会で試行錯誤する際に伴走する支援が必要ではないか等の問題提起をいただきました。

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 若者支援事業部リーダー ユース・コーディネーターの阿部 渉氏からは、育て上げネットの法人成り立ちや、進路を決められなかった若者や引きこもりの方、非行傾向のある方など様々な層の若者を迎え入れる地域の受け皿として、心構えや関係性構築などについてお話しいただきました。ご自身もかつては利用者だった経験から、「まずは信頼できる大人もいるんだと知ってもらうことから」という言葉には重みがありました。

調布市こころの健康支援センター 木内氏、調布市こころセンター事業で行っている各事業の紹介がありました。生活支援相談の内容は経済問題・育児・教育・住居の問題など多岐にわたっているとのことでした。

調布市子ども・若者総合支援事業 ここあの和泉 怜実氏からは、相談場面では自信のなさ、強い不安感、自己肯定感の低さや言語化しにくい様々な感情がある若者が多いとのことでした。
「支援に至る前の準備の必要性」や「第三者の大人(支援者)と関係性づくり」「自分の好きなこと・行っていることが否定されない・肯定される経験や生活も一体的な関わりをもつ支援が必要」とし、信頼関係の構築について育て上げネット阿部氏のお話と重なる部分がありました。

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パネルディスカッションでは、「10年前の若者像と違いはあるのか?」「自己理解を深めるためにはどうしたらいいのか?」「保護者・ご家族向け支援」「連携、地域ネットワーク作りの方法」や調布市・立川市のネットワークについて情報提供がありました。登壇して頂いた4名皆様の熱につられてか、質疑応答でも若者をとりまく状況を理解したい、関心の高さや熱量を感じました。

今回の企画を通して、普段自分たちが関わっている障害分野や就労支援から見える「地域」だけはではなく、他の領域にも関心をもつ必要性を改めて感じました。発表いただいた調布、立川以外の他市はどのような状況なのか、社会資源や連携にギャップはあるのかなど、まだまだ知りたいこと・知るべきことが沢山あるように感じました。

オープナーでは今後も新しい視点を得るための会を企画して参ります。ご登壇いただいた講師の皆様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

(高橋智子)

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