【ご報告】多摩就労ネットワーク連絡会議を開催しました

オープナー 2018/06/20

ハローワーク立川と共催して毎年行っている多摩就労ネットワーク連絡会議を6月7日(木)に開催しました。

今回のテーマは“「精神障害者の職場定着率の低さ」を解き明かす”

就職して働き続ける事の難しさは以前から言われていますが、何が定着率の低さにつながっているのか。調査研究から分析してどう見えてきたのかを解き明かしていきました。
約100名の方がご参加くださいました。

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講演は3部構成となり1部はオープナー実績や取組などの事業報告を行いました。
2部は障害者職業総合センター主任研究員高瀬健一氏をお招きし、「障害者の就職状況に関する調査報告から」という題目で講演していただきました。
1年という職場定着に対しての分析で求人種類別の職場定着や一般企業における障害別の定着、離職リスクの要因、支援の有無による効果などグラフ(数値)を見ながら分かりやすくお話をしていただきました。
「精神障害者は他障害と比べて非開示による就職割合が高い」「障害や症状の悪化による離職が多い」「障害者求人でも定着率が低い」など実際現場で感じている事と大きな違いはありませんでした。

今では様々な職種があり多様なニーズに応える求人票が沢山あります。だからこそ開示して就職するための丁寧な説明が必要であり、自分のやりたい事出来る事など整理していく事が大切。そのために、実習や訓練など就職準備が重要であり、支援を得つつ試行的・探索的取組が効果的であるとのことでした。

また、「定着支援の有無による定着率に差が小さい」「昇給の可能性のない方の離職率が低い」など意外な結果もありました。

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支援があれば働ける確率は高くなると思っていましたが、データから導かれたのは「支援あり67.7% 支援無し62.4%」と支援による差があまりない事でした。企業コストを踏まえた支援、無理な定着でなく辞める事も視野にある支援、どう支援していくのか“支援の質の向上”が求められるという事でした。
参加者からは「どの様な支援を行っているかという質が重要であると理解できた」「数値+仮説の説明が理解しやすかった」「B型で出来る訓練(定着に繋がる)があるなぁと考えさせられた」などの感想がありました。また、「質の高い定着支援の定義・要素になり得るものはどんな事があるのか」などの意見もありました。

3部は利用者アンケートから働き続ける為のポイントについてオープナーが行いました。
アンケート結果から働いて1年と3年では働く傾向が変化しているということが見えてきました。気分転換の方法や相談関係を広げていく。働き方に合わせて生活スタイルを変えていく。自分で安心できる居場所を構築していく。病気や障害と付き合いながら働くことを支援者が支えていくという事が長く働くポイントでした。3部では「当事者とどの様な関わりをして行けばよいのかを考える上で大変参考になった」「本人目線(生の声)のアンケート結果を分析していただいて非常に参考になった」との感想がありました。

今回、データで導きだされたことで、実感だけでなくデータだからこそ見えたこと、単に定着を行うということでなく、定着支援の重要性を知る機会となった講演になりました。

(オープナー 吉岡 誠)

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