官公庁の障がい者雇用水増し問題が公(おおやけ)になり、沸々と怒りが沸き起こりました。「何ということだろう、こんなに必死にメンバーさんも就労訓練して、企業側も一生懸命考えながら職場の受け入れをしてくれているのに!」あんなに「働けよ」「受け入れよ」とせっついていた、本家本元の行政機関がごまかしていた雇用率の数の多さに唖然としました。
「企業が雇用率をごまかしたら、さも鬼の首をとったように行政の指導に入るのだろうなぁ」と話しをしていたら、既報の通り、どういう伝(つて)か東京新聞からの取材があって、理事長の雄々しい(?)姿が社会面にデカデカとのりました。そして、その後も各方面からのインタビューなどが相次いだあと、今度はなんとあの「アルジャジーラ」の方々がやってきました。これは驚きです。
ご存知の方も多いかとは思いますが、何と言ってもイラク戦争でアルカイダ情報を流し続けたあの中東の新聞社です。「そんなところが、いったいなんで棕櫚亭に取材だ?」と職員が驚き悩むなか、なぜかメンバーさんは嬉しそうに受け入れをしてくれました。「確かに、そりゃそうかも」なにしろアルジャジーラの名前は世界に轟(とどろ)いています。ニューヨークタイムズでも、BBCのような大手でもなく、どういうわけかアルジャジーラの取材。日本の全国紙でもなく、一挙に世界に飛んでいったのも、何はともあれ興味を持ってくれるのは嬉しいから、理事長以下職員一同、メンバーさん達も大歓迎でウェルカム!
「日本の障がい者雇用はどうなっている?」「働いているところが見えづらい」「訓練の厳しさは日本社会ならではなのか?」などなど、驚くほど真っ当な疑問質問のインタビューが山ほどあって、あっという間の6時間。何はともあれ、ともかくも精神障がい者の就職実現に向けてメンバーさん、職員の必死の実践はわかっていただけたようでした。打ち解けた取材の終わりには、職員メンバー入り乱れて、私たちからもアルジャジーラの正体(?)やら存在意義やら、根掘り葉掘り聞いたりして思いもかけない異文化交流もありました。
もう何年か後には、外国人受け入れがすすんでイスラムの若者がトレーニングに来ることがあるのかでしょうか?そういえば精神科病院の身体拘束で亡くなった青年はニュージーランドの人でした。外国人の存在が無視できない数になった頃には、手帳の有無や雇用率という数字は案外関係なくなるのかもしれません。
普段見過ごしてしまう大きな視点や先々への思いもめぐらしてくれた貴重な時間となりました。
この模様については、11月に英語版で海外放映されるとのこと。日本ではYou Tubeで視聴可能になるとのことですが、詳細がわかり次第、HPでもお伝えします。
ピアス通信11月号でも、障がい者雇用率改竄問題特集として「緊急!メンバーアンケート」「アルジャジーラにピアス通信員が逆取材!」で取り上げることになっています。
楽しみにお待ちください!