ディ合宿(法人全体職員会議)を終えて ―発信しつづける棕櫚亭を目指して―
社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会
ピアスタッフ 櫻井 博
短い秋、一気に寒さが迫ってきました。いかがお過ごしでしょうか?久しぶりの時事伴奏であります。
多摩棕櫚亭協会では年2回「デイ合宿」という、半期活動報告を全体職員会の中で行なっています。その模様について私なりに見聞きし、感じたことを報告したいと思います。場所はピアスの2階で、大きな輪のように机を並べて30名ほどの職員が一堂に会するものです。
デイ合宿とは
繰り返しになりますが、今回は令和元年前期における合同職員会議です。棕櫚亭の4事業所のほとんどの職員が集まり、午後1時から5時まで討論しあいます。以前は一日中話し合われたことから「合宿」と名付けられたと聞いています。事業計画に基づいた進捗状況の報告や現状の課題などを各施設20分ほどで報告し、他事業所からの質疑に応答するかたちをとります。
小林理事長が言う発信とは
私たちが活動する小さな国立に住む人でさえ棕櫚亭を知らない人もいるという報告がありました。テレビでピアスの現場が紹介されたり、理事長小林さんのインタビューが新聞で取り上げられ、多方面からホームページにアクセスがあったと報告されました。
ホームページの性格上、常に新しいことを発信しなければならないとも話されました。
棕櫚亭が発信し続けるあるいはその姿勢の重要性と自分達の活動を社会に発信しつづける棕櫚亭でありたいという理事長の意見でした。
棕櫚亭の置かれている現実
国務大臣が「多様性を認める社会」という言葉を使い始めるように、時代も大きな転換点にあります。重度障害者の議員の方が国会で発言し、合理的な配慮がされる時代です。私も棕櫚亭と出会ったころ、障害者という響きに違和感、もっといえば嫌悪感を感じる時期もありました。それは自分が障害者であるという裏返しでした。障害があると言われることへの偏見からくるものではないかと今では思いますが。でも、今の時代は障害をオープンにして働く、その人なりの働き方に注目が集まっています。まだまだ棕櫚亭の認知度は高くないです。地域の人が知らないという現状をどうとらえたらいいでしょうか。そのため棕櫚亭では地域にすこしでも知ってもらえるよう、地域貢献として「食」の部分で働きかけをはじめました。具体的には子ども食堂への安価な食事提供などがそれに当ります。地域との接触を通して棕櫚亭を知ってもらう努力を惜しみなくしています。自立支援協議会などの行政の会議に出席して他団体への周知にも努めています。
今回の台風19号に関連して
ある職員から今回のような未曾有の豪雨災害の時に、ピアスがどのタイミングでどういうふうに「福祉避難所」として開設されるのかという質問がありました。市の会議に出ていた職員からは明確な回答が得られなかったということでした。メンバーさんの中には実際、近くの指定されている場所に避難して怖い思いをされた方もいらっしゃったようです。例えば台風19号の上陸の際に各地で避難所が人でいっぱいになり、次なる避難所に移動を余儀なくされたかたもいたという現状を考えると、これからの避難所の姿を検証する必要性がある感じがしました。
最後に
将棋の世界では、一手打ったその先にいろいろな打ちてがうかぶほど有利とされています。つまり選択肢が多いほうがその先にある目標が広がり、次の一手につながるということなのだと思います。そういう意味では、地域の精神障害のある方が棕櫚亭のフィールドを経ていただけると、幸せ実現につながるように感じました。勿論その為には顔の見える関係を増やし、様々な面で棕櫚亭を知ってもらうことが大切だと感じました。