棕櫚亭Ⅰ及びなびぃ(生活支援)のメンバーさんへ
棕櫚亭Ⅰ 施設長 篠原 洋子 ・ なびぃ 施設長 奥迫 真里恵
皆さまにはすでにお知らせしたとおり、新型コロナウィルスの影響で、拡大防止の観点から、棕櫚亭Ⅰ・なびぃは活動縮小を余儀なくされ、職員一同、今回、この事に無力感を感じ、申し訳ない気持ちでいっぱいでいます。
以下が、5月6日までの棕櫚亭Ⅰ・なびぃ(生活部門)の開所等状況です。
①棕櫚亭Ⅰとなびぃは合同開所し、棕櫚亭Ⅰの拠点をなびぃに移しています。
→ 特に棕櫚亭Ⅰのメンバーさんが自主的に通所自粛を始めていて、利用人数がかなり減っていることからこのような決定をしました。したがって棕櫚亭Ⅰは閉じています。お困りや不安があれば棕櫚亭Ⅰの方でも、ぜひなびぃにお電話ください。
042-571-3103 (棕櫚亭Ⅰ・なびぃ共通電話番号)
②なびぃのフリースペースは閉所させていただき、電話での相談のみおこなっています。時間は月曜日~金曜日(土日祝祭日を除く)11時から15時となります。各種プログラムは中止です。
→ 感染拡大防止のため、多数の方が集まるユニット・プログラムは見合わせています。また感染者を出さないために職員も最少人数で、短時間開所しています。電話がかかりにくくなることも予想されますのでご協力ください。
③再開については5月7日を予定していますが、ホームページや手紙、留守番電話メッセージ等でお伝えしますのでご確認ください。
→ 一日も早い再開を職員一同願っていますが、国や東京都などの状況によっては開所日程が変更になる場合がありますのでわかり次第早めにご連絡いたします。
以上が活動になります。今回の決定にあたっては、職員皆悩みに悩みました。
多くのメンバーの皆さんは、この騒ぎが起きる前から病気や障害を抱え、社会で制限を受けながら生活をしてきたのだと思います。そして、その制限に悩み苦しんできた皆さんが一歩足を踏み出してくれたのが作業所や支援センターです。そこで働く私たち職員の支援や考えの根幹を揺るがすことが今回起きたのだ、と思います。誰が悪いのでもないからこそ、やりきれなく又、悲しい思いがしています。
新型コロナウィルス拡大防止は絶対に取り組むべきことです。しかしわかりやすさや受け入れやすさを決して否定する気はないのですが、私自身は今も「三密(密集・密接・密閉)を避ける」という言葉そのものには、この期に及んでもなじめない思いがしています。「外出『制限』」という言葉には頭を抱えたくなるばかりです。ただ、誤解のないように強調し、ここは大事なので繰り返しますが「『今は』三密は避けるべきだ」と思いますし、不要不急な外出は「『今は』自粛するべき」だと考えます。
これまでの棕櫚亭、特に作業所や支援センター活動(生活支援)では、私たち職員は人のぬくもりが感じられる空間作りを目指してきたつもりです。皆と楽しく食事作りをし、皆で食べ、皆で笑いあえる居場所作りにつとめてきました。
日々の面談でも、小さな面接室で顔を付け合わせ、少しでも今後どうしたら生きやすくなるか、アイデアを出し合いながら歩みを共にしてきたと考えています。悩んでいること、他の人に聞かれたくないことなどを安心して話ができるプライバシーに配慮した空間作りを職員も行なってきました。
ところが、新型コロナウィルスが猛威をふるいはじめ、その空間が、私たちが大切にしてきた考えが飲み込まれていくようです。
繰り返しになりますが、私たちは、今回の活動縮小(棕櫚亭Ⅰとなびぃの合同)について最後まで悩み、苦しみました。つまりこれまでの活動姿勢と矛盾した行動を選ばざるを得ない状況に追い込まれたからです。国や東京都の方針や考えにも細かく矛盾があり振り回されているという事実もあります。しかしそれはおいても、ここまで社会全体、世界全体がパンデミックに陥り、皆さんや家族の中に活動参加を自粛したいという声が日に日に増す状況下、社会に生きる一員として協力できること、この期間を耐えていくことを断腸の思いで選択しました。そして今回皆さんにも協力していただいているところです。
多くの方が苦しい時を過ごしていることは理解しているつもりです。早期終息を願い、この期間をともに乗り切っていただきたいと考えています。今回の決定についてご理解いただけますようよろしくお願いいたします。