今回は就労移行支援事業所トゥリニテ(ピアス分場:現在は閉所)の卒業生でオープナーを利用しながら障害者雇用で働き続けている百田さんとスタッフの谷川さん、戸村さんにお話をお伺いしました。
総務業務をしている百田さん
現在のお仕事内容を教えて頂けますか?
百田さん:親会社のSCSKとグループ会社の入ったビルのメールセンターで、SCSKから請け負った業務の仕事をしています。社内便の集配、郵便・宅配便の受付業務等のメール業務と、入館証貸出業務、備品貸出業務、電話・対面での社員対応、等の総務業務などがあります。その他に給茶機の給水等やSCSKで使用しているレンタルPCの回収受付や、年に一度の大仕事の業務用カレンダーの納品の業務などもあります。
入社までの経緯と入社から現在までの経緯を教えてください。
百田さん:統合失調症の発症前は、営業の仕事をしていました。その仕事で心の調子を崩し、入院し、退院後は作業療法、デイケアと少しずつステップアップしてきました。
縁がありまして、トゥリニテ(就労移行支援事業所ピアスの分場:現在閉所)でトレーニングをしました。その後、オープナーに登録し職場実習等を経験し、東京グリーンシステムズの面接を受け入社しました。
入社時は多摩センターの東京グリーンシステムズ(以下:TGS)本社の清掃チームに所属していました。6年間位清掃業務を行った後、豊洲のメールセンターに異動しました。この部署で5年目です。
障害者雇用を選んだ理由を教えていただけますか?
百田さん:発症→入院→デイケア→作業所という流れの中で障害者雇用を選ぶのは自分にとっては自然でした。流れに身を任せた感じです。
職場ではどんなサポート・配慮を受けていますか?
百田さん:段階を経て仕事を教えてもらっています。新しい仕事を増やすことでミスが頻発することになった時は、また一段下がりミスがでないよう立て直すようにさせて頂くなど配慮して頂いています。あと、自分は自信がない時等に声が小さくなる特性があり、その時は指摘して頂いています。
支援機関をどのように利用していますか?
百田さん:入社してからは、仕事やプライベートでどうしても困ったことがあった場合、相談させて頂いています。現在は、タイミングよく手遅れにならない内に相談することが重要だと思っています。又、毎月オープナーの談話室に出ています。今はコロナ禍の関係でZoomを使ったオンラインで行われていますが、オープナーのメンバーと顔を合わせることを楽しみの一つにしています。
仕事で大変だと思う事を教えて下さい。
百田さん:ものすごく難しい業務は行っていませんが色々な業務があります。忙しい時は、業務が集中しますので、焦りすぎないようにしようと思っています。
また、電話や対面でのSCSK社員の対応では、業務に関する色々なことを色々な聞き方で質問をされます。ここでも焦らずに、なるべくマニュアルの型に当てはめるように頭を整理しようとしています。
今働く上で努力していることや、工夫していることがあれば教えてください。
百田さん:自分なりのマニュアル作成、チェックリスト作成を行っています。また、それぞれ更新を行うようにしています。
また、報連相も重要です。上長への報告はもちろん、メンバー間で必要な場面も多いです。適宜、端的な報連相を行えるよう、本を読んで勉強したりもしました。ですが、ここでも実際に上長から指導を受けたこと等の経験をもとに、自分なりの報連相マニュアルを作っていくことが重要かと自分は思いました。
もしよければ、百田さんの夢を教えてください。
百田さん:仕事では、何年かかるか又実現するか分かりませんが今の部署で「チーフ」になることです。将来、わずかでも出世したいです。
プライベートでは、趣味を上達させ「上手なアマチュア」になることです。ボウリング、水彩画を書くこと、音楽等があります。
「これから働きたい!」と思ってらっしゃる方にメッセージがあれば。お願いします。
百田さん:自分が入院していた当時は、将来また働けることはあまりイメージしていませんでした。でも、現在は元気に働いています。それまでの過程の間に、たくさんの方々のお力添えを頂き、ステップアップを重ねることが出来ました。
もし、働きたいとお考えの方は、『必ずや働けます』と思いますので、トレーニング等を頑張ってください。働きたいけど自信がないという方は、自分もそうでしたので、支援者の方達に力を借りたりしながら、ステップアップをしていけばきっと働く将来は近いと思います。
東京グリーンシステムズ株式会社 スタッフ:谷川さん、戸村さん
百田さんの印象を教えていただけますか?
・スピード感はあまり感じないのですがとにかく正確に作業を行い真面目。
・でも百田さんは堅物では無く、多芸多趣味で人間味がある社員です。
・他の社員からの信頼感が厚く、憎めない存在です。
これまでにどのようなサポート・配慮をしてきたのか教えていただけますか?継続しているポイントはありますか?
・障害者に寄り添いながらの作業支援を行っています。
・自分の主張だけでなく、支援者や時には医師にも意見を伺いサポートを行っています。
・継続しているポイントは記録を付ける事によってノウハウが蓄積していっています。
支援機関との連携について教えて下さい。
・定期的に支援会議に参加して頂いて第三者的な立場の意見を活用しています。
・支援機関が開催しているセミナーは重宝しています。
これから働きたいと思ってらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。
・前向きな考えを持ちチャレンジ精神があると良いと思います。
・自分の強み、弱みを自分自身で把握してうまくいった時の事や落ち込んだ時は
どのように回復していったらいいか記録を付けると良いのでお手伝いします。
・落ち込んだ時は一人で悩まず、必ず、上司や支援者に相談できると良いと思います。
会社の受付前 左:スタッフ谷川さん 中央:百田さん 右:スタッフ戸村さん
インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。