[報告]令和6年度第1回就労定着支援連絡会

オープナー 2024/11/08

去る10月16日に立川商工会議所会議室にて「令和6年度 第1回 就労定着支援連絡会」を開催いたしました。

オープナーでは「精神障害者就労定着連携促進事業」を東京都福祉局より受託し7年目となります。精神障害者の障害者雇用、就労支援に関わる皆様(企業、医療機関、就労支援機関)への情報提供や交流を促進することを目的に「精神障害者就労定着支援連絡会」を開催しています。
今回も70名を超える企業の皆様、支援機関・関係機関の皆様にご参加いただきました。ありがとうございました。

第1部として、オープナー職員吉本より、昨年度までに本事業で作成してきた「採用面接コミュニケーションツール」についてご紹介させていただきました。当HPでもダウンロードが可能です(→リンクはこちらから)。ぜひご活用下さい。

第2部では、「働く精神障害者を理解する〜「コミュニケーション」の重要性、その先にあるものとは?〜」と題し、企業内で支える・採用する立場から、また福祉側から就職へと送り出すそして自法人での雇用を支える立場からの2例の実践報告をいただきました。

トランスコスモス株式会社 コーポレート統括管理本部 ノーマライゼーション推進統括部 障がい者人材開発部 障がい者サポート課 田村真弓氏からは、企業という大きな組織の中でどのように他課や周りの方とコミュニケーションを取っているのか、サポート場面での事例などをご紹介いただきました。特に「反省事例」と題された事例の中では「社内支援は必要ありません」と希望される方との関わり方について、社内の枠に当てはめて考えるのではなく、希望の裏側にある気持ちやそれぞれに合った支援を行う様に心がけていることなどが印象的でした。

次に社会福祉法人村山苑 福祉事業センター 施設長 臼田誠寿氏からは、就労移行支援事業・就労定着支援事業の中から大切にされている関わりや実践事例のご紹介をいただきました。特に就労移行では実習に行くか行かないかや、どこの企業に応募するかなど「何かを決めなければならない」場面が多くありますが「自分自身の支援をふりかえると、説明や説得をしていたことも以前はあったかもしれないが、そうではなく情報の伝達を行い、本人の自己決定を促している」と話されていました。自分もやっていないかなと自己点検のきっかけになりました。

IMG_20241016_143248 (1)

最後に参加者の皆様でグループワークを行い、日々の支援・サポートで大切にしていること、コミュニケーションで工夫している事、コミュニケーションで困っている事などを話しました。企業の人事担当者、上司の方、ハローワーク職員、就労系施設の支援員、相談支援事業所、デイケア職員などバラエティに富んだグループでしたが、各自の組織の特徴や個人的なコミュニケーションの癖、自分自身が心掛けていること等幅広い参加者だからこその意見もあり充実した時間になりました。

ひとことで「コミュニケーション」と言ってもその意味は多岐にわたります。コミュニケーションを取ることはご本人への理解・社内の障害者雇用についての理解が進むうえで欠かすことは出来ません。目新しいテーマではありませんでしたが、コミュニケーションの先には相互理解もしくは多角的に理解していくことがあるのだと感じました。

次回第2回は令和7年2月頃の予定です。また告知させていただきますのでご参加の程、どうぞよろしくお願い致します。

(高橋智子)

カテゴリから関連する記事をさがす
オープナー
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。

オープナー令和6年度第1回 就労定着支援連絡会のお知らせ

研修会 2024/09/18

HP用チラシサムネ

オープナーでは東京都福祉局より精神障害者就労定着連携促進事業を受託し7年目となりました。
今年度も精神障害者の障害者雇用、就労支援に関わる皆様(企業、医療機関、就労支援機関)への情報提供や交流の促進を目的に「精神障害者就労定着支援連絡会」を開催してまいります。

第1回目となります今回は『働く精神障害者を理解する~「コミュニケーション」の重要性、その先にあるものとは?~』と題し、集合形式にて開催いたします。
精神障害者を雇用し採用から職場定着まで担当されている企業の方、職業準備訓練から職場定着支援の実践されている方をお招きし、その実践から浮かび上がる「コミュニケーションの重要性」を、参加者の皆様とともに考えたいと思います。

つきましては、下記をご覧頂きご参加をご検討頂けますと幸いです。
後日、見逃し配信(オンデマンド配信)も予定しております。たくさんのご参加お待ちしております。

日時 令和6年10月16日 (水)14:00~17:00 開場受付:13:30~
場所 立川商工会議所会議室
東京都立川市曙町2-38-5 立川ビジネスセンタービル11F
講演 働く精神障害者を理解する
~「コミュニケーション」の重要性、その先にあるものとは?~
ツールの紹介 障害者就業・生活支援センターオープナー 職員
実践報告① トランスコスモス株式会社 コーポレート統括 管理本部
ノーマライゼーション推進統括部
障がい者人材開発部 障がい者サポート課 田村 真弓氏
実践報告② 社会福祉法人村山苑 福祉事業センター
施設長・サービス管理責任者 臼田 誠寿氏
グループワーク 参加者の皆様で情報交換を行います。

 

申込 : Googleフォームにて(お申込みリンクへ)
QR_915765

※セキュリティの関係上、フォームでお申し込みが出来ない場合は貴社(または所属機関)名、参加者名、メールアドレス、住所、電話番号、見逃し配信希望の有無をご記入の上、opener@shuro.jpまでご連絡下さい。

※Youtubeでの見逃し配信を予定しています。お申込み頂いた方に本会終了後1か月後程度に視聴アドレスを送付いたします。

お問い合わせ先 障害者就業・生活支援センターオープナー 川田・小林

カテゴリから関連する記事をさがす
研修会オープナー
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。

台風7号による臨時閉所について

オープナー 2024/08/16

台風7号の接近に伴って16日午後から関東では急激に雨と風が強まる予報です。

オープナーではメンバー・職員の安全を第一に優先に検討し、16日の午後から電話相談のみのサービスとさせていただきました。

ご不便をおかけいたしますがどうぞよろしくお願いいたします。

皆さまも不要不急の外出を控えて安全第一にお過ごしください。

🔶障害者就業・生活支援センターオープナー施設長🔶

カテゴリから関連する記事をさがす
オープナー
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。

8月16日台風接近に伴う対応について(前日報)

法人本部 2024/08/15

(8月15日 18時30分現在)

明日8月16日は台風7号が関東に最接近する予報が出ています。

法人各事業所共に、メンバー・利用者・職員の安全を優先に検討しています。

特に通所事業であるピアス(就労移行・生活訓練・定着支援)・棕櫚亭Ⅰに関しては、午後閉所になります。

相談事業であるなびぃ、オープナーも場合(公共交通機関の不通が予想される場合等)によっては、職員の午後早退も考えられます。

お越しの際は、必ず、各事業所に事前にお電話で確認下さるよう、ご協力お願いいたします。

皆様におかれましても、今一度身の周りの安全についてご確認ください。

社会福祉法人多摩棕櫚亭協会 法人本部

[報告]多摩就労支援ネットワーク会議

オープナー 2024/08/07

7月19日に立川地方合同庁舎にて「多摩就労支援ネットワーク連絡会議」を開催いたしました。
この会は普段連携させていただいている皆様に、オープナーで行っている事業や活動を知っていただくこと、また障害者雇用に関する旬な話題を提供することを目的としています。

第1部として、オープナーの令和5年度の実績と受託事業(精神障害者就労定着連携促進事業・障害者中小企業応援連携事業)および今年度の方針について報告を行いました。

IMG_8161

第2部では、「障害学生・若者が社会や職場の中で活躍するためには」と題し、若年・若者の現状をテーマに、教育(大学)・地域の機関から課題について語っていただきました。近年、オープナーでも在学中のご本人やご家族、新卒ハローワーク等から新規相談が徐々に増えてきており気になるトピックでありました。

早稲田大学 ステューデントダイバーシティーセンター アクセシビリティー支援センターの工藤陽介氏からは、高等教育機関における障害学生の現状や大学における合理的配慮の捉え方、卒後社会へ出ていくことを見据えた時、在学中からどんな支援が必要になるのか等幅広くお話しいただきました。
具体的には学生個別の状況に合わせた効果的な情報提供が必要であり、早期からの様々な体験や情報に触れる機会の提供、希望や特性に応じた働き方や求人開拓の必要性、卒後就職を含め社会で試行錯誤する際に伴走する支援が必要ではないか等の問題提起をいただきました。

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 若者支援事業部リーダー ユース・コーディネーターの阿部 渉氏からは、育て上げネットの法人成り立ちや、進路を決められなかった若者や引きこもりの方、非行傾向のある方など様々な層の若者を迎え入れる地域の受け皿として、心構えや関係性構築などについてお話しいただきました。ご自身もかつては利用者だった経験から、「まずは信頼できる大人もいるんだと知ってもらうことから」という言葉には重みがありました。

調布市こころの健康支援センター 木内氏、調布市こころセンター事業で行っている各事業の紹介がありました。生活支援相談の内容は経済問題・育児・教育・住居の問題など多岐にわたっているとのことでした。

調布市子ども・若者総合支援事業 ここあの和泉 怜実氏からは、相談場面では自信のなさ、強い不安感、自己肯定感の低さや言語化しにくい様々な感情がある若者が多いとのことでした。
「支援に至る前の準備の必要性」や「第三者の大人(支援者)と関係性づくり」「自分の好きなこと・行っていることが否定されない・肯定される経験や生活も一体的な関わりをもつ支援が必要」とし、信頼関係の構築について育て上げネット阿部氏のお話と重なる部分がありました。

写真5

パネルディスカッションでは、「10年前の若者像と違いはあるのか?」「自己理解を深めるためにはどうしたらいいのか?」「保護者・ご家族向け支援」「連携、地域ネットワーク作りの方法」や調布市・立川市のネットワークについて情報提供がありました。登壇して頂いた4名皆様の熱につられてか、質疑応答でも若者をとりまく状況を理解したい、関心の高さや熱量を感じました。

今回の企画を通して、普段自分たちが関わっている障害分野や就労支援から見える「地域」だけはではなく、他の領域にも関心をもつ必要性を改めて感じました。発表いただいた調布、立川以外の他市はどのような状況なのか、社会資源や連携にギャップはあるのかなど、まだまだ知りたいこと・知るべきことが沢山あるように感じました。

オープナーでは今後も新しい視点を得るための会を企画して参ります。ご登壇いただいた講師の皆様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

(高橋智子)

カテゴリから関連する記事をさがす
オープナー
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。

多摩就労支援ネットワーク連絡会議 開催のご案内

研修会 2024/06/06

チラシ表毎年ハローワーク立川と共催で行っており、『多摩就労ネットワーク連絡会議』を今年度も開催いたします。
若年・若者の現状をテーマに、教育、支援の分野でかかっている方のお話しを伺い、自分たちが今出来ることは何か考えていきます。ぜひご参加ください。

日時:令和6年7月19日(金) 13:30開場
14:00~17:00

会場:〒190-8609 立川市緑町4-2
立川地方合同庁舎(ハローワーク立川)3階会議室

対象者:障害者雇用・就労支援機関・ハローワーク・企業・行政・大学・就労相談に携わる方、どなたでもご参加いただけます。

14:00~14:25  「令和5年度障害者就業・生活支援センターオープナー 事業報告」

14:25~17:00  パネルディスカッション

「障害学生・若者が社会や職場の中で活躍するためには」

認定特定非営利活動法人 育て上げネット
若年支援事業部リーダー ユース・コーディネーター
阿部 渉氏

早稲田大学 スチューデントダイバーシティセンター
アクセシビリティ支援センター(ARC)
障がい学生支援コーディネーター
工藤 陽介氏

調布市こころの健康支援センター
センター長  木内 洋氏
調布市子ども・若者総合支援事業 ここあ
主任 和泉 怜実氏

お申込み方法
① Googleフォームでのお申込み
カメラアプリでQRコードをスキャンいただくか
https://forms.gle/BP1NTBgGDy1fxF2Q7』までアクセスし、
必要事項をご記入いただきお申し込みください。

② メールでのお申込み
opener@shuro.jp』まで、事業所名、住所、電話番号、FAX番号、Eメール、参加者名、質問事項などを記入しメールをお送りください。

申し込み〆切 令和6年7月5日(金)

R6年度ネットワーク連絡会議チラシ

QRコード

 

 

 

QRコード

精神障害者の採用を検討している企業向けの動画をアップいたしました。

オープナー 2024/06/06

オープナーでは今までに精神障害者を雇用したい企業に向け、採用面接を見直すためのツール『採用面接のためのコミュニケーションツール』を公開してきました。昨年度、ツールのバージョンアップ、さらに導入について解説した『ガイド』を作成しています。精神障害者を雇用したい企業の方々にご好評いただいております。

今回はさらにツール活用のための動画を作成いたしました。障害者雇用の背景や精神疾患についての解説、ツールの構成や考え方のもととなる職業準備性などについても説明させていただいています。

視聴をご希望の方は以下にアクセスし、ご入力いただくと公開用のURLを確認いただけます。

ぜひこの動画をご視聴いただきまして、貴社の障害者雇用にお役立てください。

 

↓申し込みフォームは以下のリンク、画像をクリック!

バナー

 

 

 

https://forms.gle/kxzsS8xbpGFwk9wy6

ツール講習フライヤー(youtube)はこちらをクリック!

3種類のツールのご紹介【精神障害者就労定着連携促進事業】

オープナー 2024/04/01

オープナーでは、東京都福祉保健局より精神障害者就労定着連携促進事業を受託しております。

本事業の内容は、下記のようになります。

  • 精神障害者の方たちの職場定着を促進していく
  • 精神科医療機関に向けて、就労支援についての出前講座
  • 連携に資するツールを作成すること

上記の取り組みによって昨年度までに完成しました各ツールをご紹介いたします。

企業担当者向けツール

採用面接のためのコミュニケーションツール

コミュニケーションツールサムネイル【ダウンロードはこちらから】(GoogleDriveからのダウンロード)

本ツールは、働きたい精神障害者と企業の採用担当者が、円滑なコミュニケーションを促進することを目的に、より良い人材の採用と職場定着に繋がると考えています。

昨今の採用場面では、企業側が求職者の履歴書や職務経歴書について聞き取る「一方向型」の採用で、企業が主語で選ぶ立場でした。そのため、求職者の職業準備性や自己アピールをする機会が少なく、企業は求職者のことを理解できないまま採用した結果、職場定着が進まない現状がありました。

そのような現状を踏まえ、オープナーでは、採用面接場面を『互いについての理解を進めていく場』と再認識しました。双方向でコミュニケーションをとることで、求職者の理解も進み、配置部署や業務内容の検討、提供可能な合理的配慮の範囲など、深く検討することができるようになります。

そのためには、求職者の職業準備性ばかりが求められるのではなく、企業側の『採用準備性』や『社内での障害者雇用の理解促進』などの事前準備がとても大切です。また、採用面接時の雰囲気作りなど、実際の場面で気を付けることも多々あります。

今まで、企業が求職者を選ぶ時代でしたが、これからは、求職者が企業を選ぶ立場にもなっていくと考えています。

質問の意図や目的、その背景を十分に理解した上で、それぞれの企業に合った形で質問する場面や具体的な聞き方を準備していただきたいと思います。ぜひご活用いただき、ご意見を頂戴いただければ幸いです。

当事者向けツール

マイノート

マイノート表紙サムネイル

【ダウンロードはこちら】(GoogleDriveからのダウンロード)

<マイノート記入例 ダウンロードはこちら>

障害当事者が、希望する生活を実現するためには『自分を理解すること』や『理解した情報を人と共有すること』などが必要であると私たちは考えます。また、希望の実現には、どのような方法があるか具体性をもつ必要があるとも考えます。

マイノートは、就労面、生活面、医療面様々な観点から自身の状況について振り返りを行ない、自己理解を深めるためのツールです。他者の協力を必要と感じる場合には、このノートをめくりながら自分にとってどんな手助けが必要か、あるいは、どのように話せば伝わるかなど、情報共有ツールとしても活用できると考えています。

支援者向けツール

 医療連携・就労支援機関 連携ガイドブック

連携ガイドブックサムネイル【ダウンロードはこちら】(GoogleDriveからのダウンロード)

精神障害者が職場に定着するためには『医療』的な関わりや視点が欠かせません。しかし、現状では就労支援機関・企業と医療機関での連携が十分に機能しているとは言えません。

オープナーでは「なぜ三者での連携が円滑にすすまないのか」という課題に対する要因を整理して、連携促進につながる『就労支援機関が行なえるアプローチ』を考え、提案をしています。


今後、3ヶ年を通して、各ツールについてブラッシュアップや普及・啓発を行っていく予定です。ブラッシュアップのためにも各関係機関・企業の皆様に各ツールをご活用いただき、率直なご意見を頂戴できれば幸いです。

ご不明な点などございましたら障害者就業・生活支援センターオープナーまでお問い合わせ下さい。

TEL:042-577-0079

当事者セミナーオンデマンド版公開のお知らせ

オープナー 2024/03/22

毎年オープナーが行っております「当事者セミナー」。今年度で第13回開催となりました。今年度は国立市しょうがいしゃ就労支援センターさんとご一緒に開催します。
「働く当事者が伝える 私の選択~過去・現在・未来~」と題して、今年度は4年ぶりの会場開催です。

デイケアや地域活動支援センターの皆さんから熱いリクエストを頂いていましたオンデマンド版を3月21日(木)より公開いたしました。事前に質問をお送りいただいた皆様、ありがとうございました!

今年も、当ホームページ用チラシサムネイル事者にしか話せない、当事者の立場からのことばをこれから就職を考える方・支える支援者の方・迎え入れる企業担当者の方に受け取って頂けましたら幸いです。

【申込フォーム】
追加でお申し込みの方は以下からお願いします
お申込みはこちらから(Googleフォームへリンクします)

●オープナー当事者セミナーチラシ(R5)

公開日程 2024年3月21日〜4月30日(予定)
公開URL 上記フォームおよびメールにてお申し込みいただいた方には
3/21に限定公開URLをお送りしております
時 間 1時間48分
内 容 1.就労支援に関係する福祉サービスについてミニ解説(15分)
2.当事者による経験談 3名(各20分)
3.質疑応答 事前受付+当日参加者からの回答(25分)

お問い合わせ:障害者就業・生活支援センターオープナー 高橋(智)・吉岡
TEL 042-577-0079

国立市しょうがいしゃ就労支援センター TEL042-505-7271

カテゴリから関連する記事をさがす
オープナー
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。

[報告] 第13回当事者セミナー

オープナー 2024/03/08

去る、2月20日、国立市民芸術小ホールにて当事者セミナー「働く当事者から伝える 私の選択 ~過去・現在・未来~」を開催いたしました。
当事者セミナーは、働いている当事者が登壇しリアルな体験談を語ります。働きたいという当事者に向けて「働ける」という気持ちになれるよう、地域に普及啓発していくことを目的にしています。今年度で13回目となり、3年ぶりに会場での開催となりました。

今年度は新たな試みとして国立市しょうがいしゃ就労支援センターと共催しました。共催により市のホームページや市報・掲示版での案内など幅広く広報活動が出来ました。その時に同法人の棕櫚亭第1のメンバーの皆さんにお手伝いしていただきました。ありがとうございました。
その効果もあり、掲示版を見て来場される方もいました。また、精神障害だけでなく他の障害がある方にも参加しやすいように手話通訳を入れたり、要約筆記をスクリーンに映し出す工夫をしました。ご参加された皆様からはとても分かりやすいと好評な意見を頂きました。

登壇する3名の当事者の話をする前に、国立市しょうがいしゃ就労支援センター吉川氏による就労支援や障害者雇用に関係する福祉制度などのミニ講座をして頂きました。

ミニ講座後、「働く当事者から伝える 私の選択~過去・現在・未来~」をテーマに、働きはじめるまでに準備をしてきたこと、病気や障害との付き合い方、働こうと思った動機やモチベーション、働き続けるコツなど登壇する3名に語って頂きました。

まず、1人目はY本さんです。病気との付き合い方、訓練につながるまでの話、働き始めてのことなどをお話されていました。Y本さんは、就活中に発症し、就職しても病気の事を知られたくなくて一所懸命働いたが、ハードな仕事内容と心無い言葉を吐かれ、退職になってしまったことや視線恐怖で昼夜逆転生活を送る生活になったことなど自分の辛い過去を話されていました。府中にある就労移行支援事業所で、“病気や障害との付き合いは慣れていくしかない。治そうではなく受け入れて共存していく姿勢が大事。”だから今、自分の出来るは範囲で仕事やプライベートを充実させていきたいと話されていました。

CIMG1704

 

2人目は障害者の元日本サッカー代表選手でもあったN沢さんです。N沢さんは、怪我をしてみんなに迷惑をかけたくないと30歳で選手やコーチングスタッフとして過ごすことにピリオドを打ちました。そんな中ご家族の言葉をきっかけにこの先の生き方を考えることとなり、ご本人の言葉を借りれば「しっかり生きよう」と次への目標が生まれました。チャレンジ雇用で自分の強みと弱みを見つけ、自分と向き合う日々を送り、自分の夢や進路を決めるのにとても悩まれた話などを話していました。生活もサッカー中心ではなくなったが、自分に合った仕事が見つかり、周囲に支えられて成長し、今につながっていると話されていました。

CIMG1714

3人目はN野さんです。障害を診断されるまでのこと、障害特性との付き合い方、社会との兼ね合いなどをインタビュー形式で行いました。N野さんは、1日3時間以上は疲労で働けない。顔が覚えられない。人の話が耳障り5分が限界など、「人と同じように仕事が出来ないのはなんでだろう?」と思いながら、30歳過ぎて障害を診断されて「そうなんだ」と“自分に納得できた”と話されていました。同法人の就労移行支援事業所での訓練時、症状で気持ちがいっぱいの時に職員と衝突した事を話してくれました。衝突しながらも、自分の強みを見つけてくれたことが自信になり希望を感じたとの事でした。

仕事では、メモをすることで未来の自分のエラーを減らすことが出来ることに気づいたそうです。その気づきから、欠点や短所などの傾向が分かるとその対処をすることがゲーム攻略のようだと話されていました。

仕事で大切にしていることは?との問いに、「自分を大切にする。自分と向き合う事をやめない。障害や健常者と共に働くということを隠さない。」自分の障害に納得したからこその言葉だと思い、とても印象的でした。

CIMG1717

3者3様のエピソードでしたが、3人の共通していることは、訓練で身につけたことや自分の事を知ることで、働いた時に職場に相談や発信が出来ること、生活も充実させている事、支援者に相談するなどでした。
「治そうではなく受け入れて共存する」「周囲に支えられて成長している」「自分と向き合う事をやめない」など過去の経験からの出る言葉、そして今も向き合いながら楽しみを見つけていく。
自分の人生の選択をしてしっかり未来へつなげていると感じました。

CIMG1725

質疑応答では、たくさんの質問がありましたので、限られた時間の中で答えた一部を紹介します。

Q: モチベーションの維持はどうしている?
A: 「エラーで落ち込んだ時に、上司から『仕方ない。落ち着いてやればいい』と言われて安心した」「支援者と面談をすることでリフレッシュすることができ、明日への活力をもらっている」「対等に扱ってもらえること」

Q:就職前と後で変わったことはありますか?
A:「完璧主義だったけれど、60%で仕事をする」「働いていないことがコンプレックスだった。働くことが嬉しい」

Q:自分から配慮を求めることは出来ますか?
A:「最初は支援者にお願いしたけど、今は自分で言えるようになった」「求めるのは苦手だけど、上司との面談で話す時間が出来たことで発信しやすい」

など

アンケートでは、「自分自身も同じように頑張りたい」「とても参考になり共感し、勇気づけられました」「働くことを考えてなかったが、自分のできる範囲で働けるかもしれないと考えることができた」など、とても満足度が高いアンケートがありました。一方で「質問時間がもう少し欲しかった。」「こまめな休憩が欲しい」等の意見もありました。

今回の当事者セミナーも大勢の方が参加され、当事者でしか話せないリアルな「ことば」を届けることが出来、大盛況で無事終えることが出来ました。3月中に収録した映像を編集しYouTube版で申し込みをされた方へ配信予定しています。

当事者セミナーは、毎年開催しておりますので、来年度もチェックして頂ければと思います。最後に働きながらも当事者セミナーの準備をしてくれた3人の登壇者の皆様、当日までにご協力頂きました勤務先各社の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。そして、本当にお疲れ様でした。

(吉岡)

トピックス