【ご報告】シリーズ第11弾!!「 働く当事者からのメッセージ」~気づく・書く・伝える~

オープナー 2022/04/01

去る令和4年1月19日(木)にオープナ主催のシリーズ第11弾!当事者セミナーを開催しました。

本来であれば、令和3年度中にホームページの更新ができればよかったのですが、遅くなってしまい、本当にすみませんでした。

 

令和2年度に初のYoutubeでのオンデマンド配信を行い、大変好評でした。当時、事前収録写真「リアルタイムでのやり取りのある雰囲気があったらといいなぁ」との感想も多くありました。そのリクエストにお応えして、今回、本編はそのまま事前収録した内容を配信し、質疑応答はライブ配信で行うハイブリッド式にチャレンジしました。

 

当事者セミナーは、「働きたい」を「働ける」と思えるように自信をつけ、次は「働き続ける」ことを目指し、紆余曲折しながらも「働き続けられてきた」ことをテーマに働く当事者が本音で語ります。

今回のテーマは「気づく、書く、伝える」で、転職含めて10年前後勤続している、3名の当事者が登壇し、スタッフが進行しながらシンポジウム形式で行いました。

Q:障害雇用で働くきっかけは何ですか?

A:「悪化しないで、続けられることが大切だから」

 

他の質問では、「就職までに準備してきたことは?」「オンオフの切り換えは?」

などいろいろな角度からの質問をしていました。

3名がこれまで“働き続けてこれたこと”のすべてのやりとりは視聴していただければと思います。

 

質疑応答については、オンデマンド配信では残念ながら編集でカットされてしまいます。そのため、一部ご紹介いたします。

Q:長く働くアドバイスを下さい。

A:「自分の出来る事のベストをする」「支援者をつける」「折り合いをつける」

Q:不安との向き合い方は?

A:「不安だらけ、支援者の助けで乗り越えた」「会社に行きつづけることで低くなる」

他にもいろいろな質問が出て、当事者とのやり取りができることはライブ感があり、とてもいいなぁと思いました。

 

視聴した方からのアンケートでは、

当事者の皆さんからは「苦悩と向き合う勇気の大事さをみてとることができました。」「モチベーションが上がった。」「考えている事や陥りやすい問題点など自分と似ている所があって参考になった。」

施設や関係機関などは「障害者雇用という枠組みの中で折り合いをつけている様子が分かり参考になりました。」「ひとことひとことに説得力がありました。」

企業の皆さんからは「当事者の方が長く安心して働ける環境づくりに引き続き努めてまいります。」などなど大好評でした。

 

不安や葛藤、困難を乗り越えてきたことや、働き続けることで自分なりの働き方や体調管理などを見つけてきたことなどが語られました。

三者三様の蓄積された経験から出る言葉は、ご視聴いただいた皆さんにも届いたかと思います。また、Mさんからのメッセージ「焦るな、落ち着け、気にするな」という言葉は印象的でした。この言葉は、実は誰にでも当てはまりそうですね(笑)

 

オンラインでの開催は会場までの移動がない分、多くの方が参加しやすいと思います。それは、大勢の方に当事者の生の声を発信できる機会が増えたことでもあると思います。一方で、以前までの会場参加型の良さ(外のイベントに初めて参加するチャレンジをしたい・たくさんの人の前で質問してみるチャレンジをしたいetc)からは離れてしまっていることも確かだと思います。

社会情勢として、会場参加型で開催できる日がくるのを楽しみにしているところです。

 

追加収録写真③ 実は、セミナー終了後、3名の当事者にご協力いただき、追加収録もしました。

内容としては、「気づく」「書く」「伝える」のメリットについて、ご意見をいただきました。特に、「書く」ことについて、様々な意見がありました。

また、オンデマンド配信では、ご自身の自己理解を深める「マイノート」についてもご紹介しています。

 

※現在は「オンデマンド配信」は終了しています。大変申し訳ございません。

 

出演して下さった3名の当事者に感謝します。お疲れ様でした。

 

『はたらく当事者インタビュー』百田さん(東京グリーンシステムズ株式会社)

オープナー 2022/03/04

今回は就労移行支援事業所トゥリニテ(ピアス分場:現在は閉所)の卒業生でオープナーを利用しながら障害者雇用で働き続けている百田さんスタッフの谷川さん、戸村さんにお話をお伺いしました。

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総務業務をしている百田さん

現在のお仕事内容を教えて頂けますか?

百田さん:親会社のSCSKとグループ会社の入ったビルのメールセンターで、SCSKから請け負った業務の仕事をしています。社内便の集配、郵便・宅配便の受付業務等のメール業務と、入館証貸出業務、備品貸出業務、電話・対面での社員対応、等の総務業務などがあります。その他に給茶機の給水等やSCSKで使用しているレンタルPCの回収受付や、年に一度の大仕事の業務用カレンダーの納品の業務などもあります。

入社までの経緯と入社から現在までの経緯を教えてください。

百田さん:統合失調症の発症前は、営業の仕事をしていました。その仕事で心の調子を崩し、入院し、退院後は作業療法、デイケアと少しずつステップアップしてきました。

縁がありまして、トゥリニテ(就労移行支援事業所ピアスの分場:現在閉所)でトレーニングをしました。その後、オープナーに登録し職場実習等を経験し、東京グリーンシステムズの面接を受け入社しました。

入社時は多摩センターの東京グリーンシステムズ(以下:TGS)本社の清掃チームに所属していました。6年間位清掃業務を行った後、豊洲のメールセンターに異動しました。この部署で5年目です。

障害者雇用を選んだ理由を教えていただけますか?

百田さん:発症→入院→デイケア→作業所という流れの中で障害者雇用を選ぶのは自分にとっては自然でした。流れに身を任せた感じです

職場ではどんなサポート・配慮を受けていますか?

百田さん:段階を経て仕事を教えてもらっています。新しい仕事を増やすことでミスが頻発することになった時は、また一段下がりミスがでないよう立て直すようにさせて頂くなど配慮して頂いています。あと、自分は自信がない時等に声が小さくなる特性があり、その時は指摘して頂いています

 支援機関をどのように利用していますか?

百田さん:入社してからは、仕事やプライベートでどうしても困ったことがあった場合、相談させて頂いています。現在は、タイミングよく手遅れにならない内に相談することが重要だと思っています。又、毎月オープナーの談話室に出ています。今はコロナ禍の関係でZoomを使ったオンラインで行われていますが、オープナーのメンバーと顔を合わせることを楽しみの一つにしています。

仕事で大変だと思う事を教えて下さい。

百田さん:ものすごく難しい業務は行っていませんが色々な業務があります。忙しい時は、業務が集中しますので、焦りすぎないようにしようと思っています。

また、電話や対面でのSCSK社員の対応では、業務に関する色々なことを色々な聞き方で質問をされます。ここでも焦らずに、なるべくマニュアルの型に当てはめるように頭を整理しようとしています。

 今働く上で努力していることや、工夫していることがあれば教えてください。

百田さん:自分なりのマニュアル作成、チェックリスト作成を行っています。また、それぞれ更新を行うようにしています。

また、報連相も重要です。上長への報告はもちろん、メンバー間で必要な場面も多いです。適宜、端的な報連相を行えるよう、本を読んで勉強したりもしました。ですが、ここでも実際に上長から指導を受けたこと等の経験をもとに、自分なりの報連相マニュアルを作っていくことが重要かと自分は思いました。

 もしよければ、百田さんの夢を教えてください。

百田さん:仕事では、何年かかるか又実現するか分かりませんが今の部署で「チーフ」になることです。将来、わずかでも出世したいです。

プライベートでは、趣味を上達させ「上手なアマチュア」になることです。ボウリング、水彩画を書くこと、音楽等があります。

「これから働きたい!」と思ってらっしゃる方にメッセージがあれば。お願いします。

百田さん:自分が入院していた当時は、将来また働けることはあまりイメージしていませんでした。でも、現在は元気に働いています。それまでの過程の間に、たくさんの方々のお力添えを頂き、ステップアップを重ねることが出来ました。

もし、働きたいとお考えの方は、『必ずや働けます』と思いますので、トレーニング等を頑張ってください。働きたいけど自信がないという方は、自分もそうでしたので、支援者の方達に力を借りたりしながら、ステップアップをしていけばきっと働く将来は近いと思います。

東京グリーンシステムズ株式会社 スタッフ:谷川さん、戸村さん

百田さんの印象を教えていただけますか?

・スピード感はあまり感じないのですがとにかく正確に作業を行い真面目。

・でも百田さんは堅物では無く、多芸多趣味で人間味がある社員です。

・他の社員からの信頼感が厚く、憎めない存在です。

これまでにどのようなサポート・配慮をしてきたのか教えていただけますか?継続しているポイントはありますか?

・障害者に寄り添いながらの作業支援を行っています。

・自分の主張だけでなく、支援者や時には医師にも意見を伺いサポートを行っています。

・継続しているポイントは記録を付ける事によってノウハウが蓄積していっています。

支援機関との連携について教えて下さい。

・定期的に支援会議に参加して頂いて第三者的な立場の意見を活用しています。

・支援機関が開催しているセミナーは重宝しています。

これから働きたいと思ってらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。

・前向きな考えを持ちチャレンジ精神があると良いと思います。

・自分の強み、弱みを自分自身で把握してうまくいった時の事や落ち込んだ時は

どのように回復していったらいいか記録を付けると良いのでお手伝いします。

・落ち込んだ時は一人で悩まず、必ず、上司や支援者に相談できると良いと思います。
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会社の受付前 左:スタッフ谷川さん 中央:百田さん 右:スタッフ戸村さん

インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

[終了]精神障害者就労定着連携促進事業 第2回セミナーのお知らせ

オープナー 2022/02/28

[2/28更新] 公開を終了いたしました。

[2/1更新] お申込み頂いた皆様へ動画URLをメールにてお知らせ致しました。

[1/21更新] オンデマンド版の受付を終了いたしました。たくさんのお申し込みをありがとうございました!

オープナーでは今年度より東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着連携促進事業」を事業受託しています。今年度は、感染予防の観点からYouTubeを活用したオンデマンド配信で開催を続けております。

第2回の今回は、『気づく、書く、伝える』~自己理解、情報共有のためのマイトート活用のすすめ~と題し、1/19(水)に行いました「当事者セミナー」(ライブ配信)の再編集版と当法人が今事業で作成した「マイノート」のご紹介を加えた内容でオンデマンド版として配信を行います。

自己実現・課題の解決には、自己理解を深め、自分や状況にあったプランを作成することが求められます。また、障害者雇用で働いていくには、助力(支援や配慮)を他者に得ることもあるかと思います。これらは自己理解があってはじめて自分にとって適切なものとなります。

マイノートは気づく、書く、伝える事を補助するツールです。人事・採用担当の方、支援機関の方にもツールを知って頂き、ご活用頂けましたら幸いです。

配信期間 令和4年2月1日(火) ~ 2月28日(月)
配信URL お申込み頂いた方のみの限定公開
資料 お申込み頂いた方にメールにて配布
対象 精神障害者の就労に関心のある企業、就労支援機関、当事者の方々

 

登壇者 ◆第1部 シンポジウム 当事者が語る!
  働く当事者3名
  障害者就業・生活支援センターオープナー 高橋智子
◆第2部 自己理解、より良い情報共有のためのツール「マイノート」の活用について
①「マイノート」について説明
  障害者就業・生活支援センターオープナー 吉本佳宏
②医療機関の立場から考える。「マイノート」の可能性について
  国分寺すずかけ心療クリニック リカバリー支援部 部長 岡本和子氏
  国分寺すずかけ心療クリニック リカバリー支援部 二宮史織氏

 

【お申込みはこちらまで】 令和3年度 第2回セミナー申込フォーム 終了しました

(セキュリティ関連で申込が出来ない場合、オープナーまでご連絡下さい)

 

お問い合わせ先:オープナー 吉本・高橋(042-577-0079)

[終了]シリーズ第11弾!当事者セミナー

オープナー 2022/02/01

[2/28更新] オンデマンド配信の公開を終了いたしました。

[2/1更新] オンデマンド配信のURLを申込みの皆様にお送りしました。

[1/19更新] ライブ配信が終了しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

この度「働く当事者からのメッセージ」シリーズ第11弾として、「働く当事者が語る ~気づく、書く、伝える~と題し当事者セミナーを行うこととなりました。

例年150名越えの皆様に会場にお集まり頂き開催してきましたが、2020年からは動画配信での開催に切り替えて開催しています。

今年度はさらにバージョンアップし、各施設の皆様から頂いた「働いている人に直接質問したい!」「生でやりとりをしたい!」という声にお応えしてライブ配信+オンデマンド配信の2種類で開催することといたしました。今年も当事者にしか話せない、当事者の立場からのことばをこれから就職を考える方・支える支援者の方・迎え入れる企業担当者の方に受け取って頂けましたら幸いです。

以下のフォームリンクよりお申込みください。

◆ライブ配信(zoom) 2022/1/19(水)13:30~14:30

【第1部】当事者セミナー+質疑応答(生配信パート)

働く当事者3名が登壇! 働こうと思った動機やモチベーション、働き続けるコツ等体験談を語ります。

◆オンデマンド配信(YouTube) 2022/2/1(火)~2/28(月)

【第1部】当事者セミナー

【第2部】ツール「自己理解、より良い情報共有のためのマイノート」のご紹介

医療機関・支援機関の立場から、自分自身を知る手がかりや周囲に伝えるメリットについて考えます。

申込フォームからご登録下さい →申込フォーム 終了しました

なお、昨年度に引き続き視聴につきましては、フォーム内にあります「当事者セミナー視聴にあたってのお願い」をご同意いただいたデイケア・事業所・企業が対象となります。「視聴にあたってのお願い」は、ライブ・オンデマンド配信どちらでも、登壇する当事者の方に安心・安全にご講演いただくため、またセミナーが成功となるように、お願いしております。ご確認・ご協力の程どうぞよろしくお願い致します。

お問い合わせ先:オープナー 高橋・吉本(042-577-0079)

[終了]精神障害者就労定着連携促進事業 第1回セミナーのお知らせ

オープナー 2021/11/10

[11/18(木)更新] 大変多くのアクセスを頂きありがとうございました。公開期間を予定通り終了いたしました。引き続きご閲覧ご希望の方は個別に対応させて頂きますのでオープナーまでご連絡下さい。

[11/10(水)18時更新] ご視聴およびアンケートのご回答ありがとうございます。配信期間後の視聴お問合せを頂いているため、1週間配信期間を延長することになりました。お申込みお待ちしております。

オープナーでは今年度より東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着連携促進事業」を事業受託しています。

平成30年度~令和2年度までは、「精神障害者就労定着支援連絡会事業」として、年4回のセミナーやオンデマンド配信によるセミナーを開催して参りました。

今年度は、未だ続く新型コロナウィルス感染予防の観点からYouTubeを活用したオンデマンド配信とし、第1回連絡会(セミナー)を開催することとなりました。

今回は、『精神障害者の就労定着を考える~より良い人材に出会うための採用面接コミュニケーションツールの活用~』と題し、配信を行います。

障害者雇用の採用面接において「何を」「どこまで」「どのように聞くのか」、ヒントになるメッセージが盛り沢山の内容となっております。人事・採用担当の方、支援機関の方にツールを知って頂き、ご活用頂けましたら幸いです。

配信期間 令和3年10月11日(月) 10時 ~ 11月10日(水)17時  11月17日(水)17時 終了しました
配信URL お申込み頂いた方のみの限定公開
資料 お申込み頂いた方にメールにて配布
対象 精神障害者の就労に関心のある企業、就労支援機関、当事者の方々

 

登壇者 1.精神障害者就労定着連携促進事業について
  東京都福祉保健局 障害者施策推進部 地域生活支援課(就労促進担当) 横田 明美氏
2.精神障害者雇用企業の取り組みについて
  SOMPOチャレンジド株式会社 総合企画部課長 大住 悠子 氏
3.採用面接コミュニケーションツールの考え方と使い方
  医療法人社団碧水会 長谷川病院 デイケア科 科長 佐々木 真一 氏
4.採用面接コミュニケーションツールの具体的項目について
  社会福祉法人多摩棕櫚亭協会 障害者就業・生活支援センター オープナー 川田 俊也
5.採用面接コミュニケーションツールの活用について企業向け個別ワーク
  東京障害者職業センター多摩支所 主任障害者職業カウンセラー 小野寺 十二 氏
【お申込みはこちらまで】 令和3年度 第1回セミナー申込フォーム

(セキュリティ関連で申込が出来ない場合、オープナーまでご連絡下さい)

令和3年第1回連絡会チラシ(PDF)

お問い合わせ先:オープナー 吉本・川田(042-577-0079)

地震発生、今後にご注意下さい。

法人本部 2021/10/07

利用者・メンバーの皆さんへ

関東地方で地震が発生しています。各地域の職員からの情報によりますと、概ね、直接的な被害は現時点ででていないと確認しております。

ただし、一部交通機関で乱れがでており、早朝も影響が出ることが見込まれます。

遅延等の旨を各事業所にご連絡いただければ対応いたしますので、慌てずに行動していただきますようよろしくお願いします。

鉄道運行情報(yahoo)

JR運行状況

とりあえず一報まで。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

『はたらく当事者インタビュー』堀井さん(株式会社KSK)

法人本部 2021/09/16

今回は就労移行支援事業所ピアスの卒業生でオープナーを利用しながら障害者雇用で働き続けている堀井和宏さん上司の株式会社KSKの金谷さんにお話をお伺いしました。

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現在のお仕事を教えて頂けますか?

堀井さん:KSKに入社してからもうすぐ二年半になります。今は管理本部の経理担当という部署で働いています。勤務時間が基本的には週5日の8:30~17:30なんですが、(コロナ禍なので)今は時差出勤で、7:30~16:30で働いています。

業務内容は各事業部から届く諸経費の請求書の計上処理や、その支払いの処理とか、あとは売上データなどの社内システムへの取り込み作業などを行っています。その他には、『5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動』に関わる業務や、エンゲージメントという社内の交流促進のためのイベントの企画に取り組んでいます。

しごと風景

堀井さんの仕事風景、後ろにあるのが5S活動を管理する「VMボード」

 入社までの経緯を教えてください。

堀井さん:前職を退職して転職活動をしていたんですけど、それがちょっと思うようにいかず、体調を崩しかけたことがあって、生活のリズムを維持するために、ピアスの就労移行支援を利用しながら就職先を探していました。ピアスの利用は2度目だったんですが、利用を決めるのには大分葛藤がありました。体調を崩して辞めたわけではないのに、再度訓練をする場に逆戻りするみたいな感じが強くてその時は複雑でした。今考えたら体調を戻すためには必要というか、使ってよかったなと思っています。

 障害者雇用を選んだ理由を教えていただけますか?

堀井さん:通院や、支援機関との面談など、支援・サポートを受けるための休みがとりやすい。突発的な体調不良とかにも対応してもらえるというのが大きなポイントだと思います。

ただ、障害者雇用の給料とか待遇の面で不安があって、クローズで働きたいと思っていたので悩んだところでした。

職場ではどんなサポート・配慮を受けていますか?

堀井さん:突発的な体調不良にも理解してもらえる点なんですが、それは(障害への)配慮というか、そもそも誰かが休んでも誰かがフォローできるみたいな体制がしっかりしてるのもあって、安心して休めるみたいな。そういうところが配慮と言ったら配慮かなと思っています。

もともと障害者雇用とか関係なくお互いにサポートしあう体制ができている?

堀井さん:そうですね、マニュアルもしっかり整備されていたので、それを見ればだいたいできるみたいな。

ほかには会社に配慮していただいていることはありますか?

堀井さん:ないというと語弊があるんですけど、逆にあまり配慮されても、窮屈さを感じてしまうので、見守ってもらえていて、のびのび仕事ができています。

支援機関をどのように利用していますか?

堀井さん:そうですね、こういった職場への定期訪問もそうですし、支援者との面談が月1回あります。それ以外にもOBの集まりに参加したり、今はどっちもオンラインなんですけど、人と話すことが一つのストレス発散法なので、できる限り活用できたらなと思っています。

今働く上で努力していることや、工夫していることがもしあれば教えてください。

堀井さん:睡眠をすごく大事にしています。今、朝早く起きていることもあるので、そのために早めに寝るってことと、1日8時間は寝ないと体力が落ちるような気がするので、ちょっと昨日寝れなかったなと思った時には、仮眠を昼休憩の時にとったりしています。

数字を使う神経を使う仕事も多いので、張り過ぎないように気分転換に5Sに関する手作業などを行って気を紛らわすというか気分転換していますね。

もしよければ、堀井さんの夢を教えてください。

堀井さん:夢ですか。無いですっていうか。無いことはないですけど。うーん。このまま元気で過ごしていく事です。なんか、年寄り臭い(笑)

っていうか、変な言い方ですけど。結婚もしたし、家もあるし、ほかに何を望めばいいのかっていうのが、正直。何を目標にしようかなって、むしろ思ってます。

これから働きたい!と思ってらっしゃる方にメッセージがあれば、お願いします。

堀井さん:さっき、5Sって話しをしましたけど、3Sが大事かなと思ってます。

『睡眠と相談と積極性』

睡眠を十分とることで、体力をつけたり、生活リズム、安定させる。

相談することで、相談相手が自分の状況を理解してもらえたり、いざと言う時に、サポートをもらえるっていうところが大きいと思います。

で、最後の積極性なんですけど、そういう姿勢を見せていれば、仕事を任せてもらいやすくなったり、それが循環して、仕事へのモチベーションになったりするのかなって思ってます。

気軽に相談していただくことが、お互いの良好な関係を長く続けていける秘訣なんだろうなと思います。

株式会社KSK 金谷さん 

堀井さんの印象を教えていただけますか?

金谷さん:堀井さんはさっきの3Sじゃないですけど、非常に物事に前向きに積極的に、取り組んでくれているなという印象です。

KSKの場合、エンゲージメントという社内の親睦、コミュニケーションを高めることにすごく力を入れていますが、そのチーム活動に積極果敢に取り組んでもらっていて、今では『チームKSK』の中心メンバーです。

打合せ風景

経理チームの打ち合わせ風景、積極的に発言しています(左奥から2番目が堀井さん)

どのようなサポートをしていますか?継続しているポイントは?

金谷さん:サポートというほどではないのかもしれないですが、月に一回、ドアノックコミュニケーション、DKCという1on1ミーティングを、堀井さんに限らずメンバー全員とやっています。最近の日常生活についても含めて話をしています。気になること、困ったことがあったら、気軽に声をかけてね、と話しています。実際に堀井さんの方から、早い段階でシグナルを送ってくれるので、それが長続きしている一つの要因なのかなと思っています。

(面接に限らず)業務時間中とかに「ちょっといいですか?」と呼んでくれて、「今日体調悪いので、早退してもいいですか?」。そこまで至らなくても、「あのう最近ちょっとこうなんです。」と打ち明けてくれるんですね。そういった話をしてくれるので、こちらもすぐにそれに対して対応することができています。

自分のことを相談・発信しやすい雰囲気が職場の中にあるのですね

金谷さん:そうですね。そういう環境はできてるという感じはしますね。KSKは2014年に「健康経営宣言」を発表して以降、社長が健康経営のトップとなり、社を挙げて「心・技・体」三位一体の人づくりを推進しています。このような社風から生まれる風通しの良い雰囲気が、働きやすい職場環境に繋がっているのではないかと思います。

 

堀井さんがお互いにカバーし合う文化があるとおっしゃられていましたが、以前からあるのですか?

金谷さん:そうですね。仕事の面でいえば「マルチタスク」と言っていますが、一つの業務について属人的にならない様に、同じセクションの中で複数の人間ができる様な体制に常にしています。そういった中で堀井さんはできる業務を増やしていっています。そういう状況が、さっき堀井さんが言ってた『休みやすい環境』につながっているのではないかなと思っています。

それは障害あるなし関係なく働きやすいですね。

支援機関との連携について教えて下さい。

金谷さん:(本人・会社・支援機関が顔を合わせる)こういった定期的な三者ミーティングをするのは、こちらとしても大変助かっています。

上司に直接話しにくいことを、抱え込んでしまってどんどん傷口が広がっていくよりは、間に入ってもらうことで、早い段階で解決策が見つけられるので、こういう支援機関がいていただけるというのは会社にとってもありがたいことだと思っています。

他の社員で支援を受けているという話は聞いても、こういった形で定期的に訪問してもらってやりとりするっていうのは今までなかったんですね。これもそれこそ長続きする要因の一つなのかなとは思います。

これから働きたいと思ってらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。

金谷さん:やっぱり会社の中で、コミュニケーションを積極的にとっていただく、それから何か気になることがあれば、気軽に相談していただくことが、お互いの良好な関係を長く続けていける秘訣なんだろうなと思います。

最初のうちってどうしても委縮して遠慮しがちになってしまいますけど、そこはあまり後のことは考えずに、気軽に今自分が抱えてる悩みだとかを早めに共有していた方がお互いに良好な関係がもてるんじゃないかなと思います。

堀井さんも入社して早々の頃、ちょっと頑張りすぎになっちゃったことがありましたけど、「ちょっと辛いです」みたいな感じのことを言ってくれれば、仕事を少し分散させたりとか対応はとれるんで、抱え込まずに発信していただくのがいいんじゃないかなと思いますね。

インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

緊急事態宣言延長に伴う法人の対応について

法人本部 2021/05/12

利用者・メンバーさん・関係者の皆さんへ

既にご承知のことと存じますが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言の期間延長が決定しています。

これに伴いまして、従前から続く緊急事態宣言への法人及び施設の対応も継続することになります。

ご不便ご迷惑をおかけしますことお詫び申し上げます。詳細ご不明の場合は、所属事業所にお気軽にお問い合わせください。

職員一同、今一度対策を確認していきますが、皆様におかれましても健康にはくれぐれもご留意ください。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

 

緊急事態宣言中のオープナーについて

オープナー 2021/04/26

オープナーメンバー・企業担当者・関係機関の皆様へ

オープナーは通常通り開所しております。

宣言中の定期面談、都心部への企業訪問支援等につきましては個別にご相談をさせていただいております。

また、新規利用のご相談は、まずはお電話でのご連絡をお願いしております。

ご理解・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

障害者就業・生活支援センターオープナー センター長 山地圭子

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『はたらく当事者インタビュー』廣澤さん(デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社)

法人本部 2021/03/30

今回はオープナーの職場定着支援を活用しつつ、長く働き続けている廣澤梨菜さん、上司にあたるデロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社の佐藤道彦さんにインタビューを実施しました。

廣澤 梨菜さん (デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社)

今の仕事を教えて下さい。

廣澤さん:2014年に入社しました。グループ会社の1つに出向し、総務で働いています。

皆さんが使う備品の補充や環境整備をしています。コロナ対策に関する作業ではソーシャルディスタンスが取れるように椅子の配置替えやパーテーションの準備などもしました。他に突発的な業務や新しく就職する方、退職する方のロッカー整理なども行っています。勤務時間は9:30~17:30、休憩1時間です。

社風としては、企業内ジョブコーチがいて、フレンドリーな職場です。障害者に対して優しくしてくれますし、障害者雇用のメンバーが多くなってきたので周りの方も慣れてきているのかもと思います。

今の会社に入社するまでの経緯を教えて下さい。

廣澤さん:特別支援学校(高校)を卒業後、特例子会社で7年勤め、清掃を5年やりました。異動になって給与明細チェックなどの事務補助を担当したこともあります。

「あなたの障害は軽いから周りをサポートできるでしょ」と言われることがあって、自分の中では悩むこともあったので軽いと言われても納得できず、他にも人間関係で悩んだことと、ステップアップをしたかったのもあって両親やオープナーの支援者に相談し、転職することにしました。

仕事を通して、どんなところが成長したと思いますか?

廣澤さん:社会人生活10年目くらいになりますが、特別支援学校の頃はタイムカードを押すことも知りませんでした。体調を自分でコントロールすること、生活習慣を整えること、社会人としての言葉遣い、ホウレンソウの方法、稼いだお金の中で生活することなど、働きながら社会人としての基本を教わりました。

今の職場では、メールやskypeの使い方を覚えました。文字でのコミュニケーションも多いです。自分の上司ではない人とやり取りをすることもあります。

障害者雇用を選んだ理由とメリットは?

廣澤さん:特別支援学校の先生の勢い(笑)学生時代から、理解が得られる就職をしようと思っていました。

メリットは、ジョブコーチと支援者がいて、上司と自分の間に立ってくれる人がいることです。全然違うなと感じます。ジョブコーチには自分の気持ちを聞いてもらったり、指示を受けて具体的にどう動いていくかの相談をしています。

デメリットはあまり感じません。今の職場は職場内に障害者雇用の人がいることが当たり前になっています。何かあっても「自分だけじゃないんだ」って思うし、共感してくれる環境です。色々あっても大丈夫。

段取り風景

働くうえで、努力や工夫していることありますか?

廣澤さん:1番は「やさしさ」。仕事では色々な人と接点がありますが、自分の伝え方がぶっきらぼうになってしまったら、あとで後悔するかもしれない。あんなこと言わなきゃよかったと後悔しないようにコミュニケーションをするようにしています。

あとは「趣味」を大切にしています。

趣味のために頑張れる、働いてないとCDも買えない、コンサートにも行けない、どこにも行けなくなってしまうから頑張ろう!と思っています。

長く働く為にも体力的にも気持ち的にも、良く寝て、次の日に備えています。何か新しいことが急に来ると「聞いてない!」と余裕がなくなってしまうし、私は「準備しておくといいタイプ」だとわかりました。

今の職場でサポートされていること、配慮されていることを教えて下さい。

廣澤さん:上司から指示がきた時に理解し辛い時、どう動いたらいいかイメージし辛い時に一緒に考えてもらっています。

苦手な仕事でもふられることはあります。重い荷物持たされたり(笑)

難しい仕事が来た時には、ジョブコーチと相談してモチベーションを上げて取り組むこともあります。

以前は仕事の指示があいまいだったり、難しかったこともありました。今はジョブコーチにいったん相談して、取り組み方を考えるようにしています。疲れている時は、休みの取り方を相談することもあります。

どんな風に支援機関を活用していますか?

廣澤さん:仕事でモヤモヤしちゃった時は、職場のジョブコーチにすぐ言うようにしています。それでもダメな時は支援機関にも言って、片方だけじゃなく両方に言って把握してもらうようにしています。

ジョブコーチにも親にも言えない、友達にも言えない!という相談事が時々あります。そういう話はオープナーの支援者に話しています。家族に言ってもな・・・と思うこともあるので。

最後に、これから働きたい障害者の方々へ、メッセージをお願いします。

廣澤さん:周りに障害者の方がいなくて、自分だけが障害者って思っている人も多いと思います。つらいこともあるとは思いますが、「自分はどうせ出来ない」と思うのではなく、相手の気持ちも考えて動いていこうよと思います。「自分自分」じゃいけないし、自分にも周りにも優しさを持ってほしいなと思います。

IMG_6393就職する前に「自分の生活リズム」と「体調を整える方法」を知っておくといいと思います。例えば、夜更かしすると次の日辛いな、睡眠何時間はないとだめだな、みたいな。

あと自分の限界。遊びたくても、金曜日と土曜日はいいけど、日曜日はダメとか、具体的にわかっているといいと思います。

 

「今日できなくても、明日出来るように」成長してもらいたい。

佐藤さん(デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社)

廣澤さんの印象を教えて下さい。

佐藤さん:非常に明るい方で、お洒落さんですね!

仕事に対して“嫌と言わない方”です。自ら率先してチャレンジして下さって、本当に助かっています。最近入社した後輩にとっては“廣澤さんみたいにやればいいんだな”と身近なロールモデルにもなってくれています。挨拶もとても良いですね。気持ちよく挨拶してくれます。

職場でのサポートはどうされていますか?

佐藤さん:上司は仕事をお願いする時には「今よりももう一歩先の、この仕事まで任せてみよう」と采配しています。現場にはジョブコーチ・指導員がいて、上司からの指示をそれぞれに合わせて伝えてくれたり、相談にのっています。私の方は無茶振り係ですね(笑)廣澤さん達が「やります!」と言ってくれるので。

定着するポイントはどのようなことでしょうか?

佐藤さん:デロイト トーマツ グループ全体では約14500人の社員がいますが、そのうち220人程度が障害者雇用の方です。半分以上は特例子会社の「トーマツ チャレンジド」の所属で、残りは廣澤さんのように各法人で独自採用している方です。

私が心がけていることは「機会と情報を平等にすること」です。変に腫れ物に触るようなことはしません。彼らにも成長の機会を作り、新しいことにチャレンジをしてもらいたい。成長している実感が定着につながるといいと考えています。

就労支援機関との連携

佐藤さん:指導員は就業中でのサポートを担っていますが、就労支援機関には生活面でのサポートをお願いしたいです。不調になる理由は仕事と生活、両方にまたがっていることが多い様に感じます。支援機関からも職場の方へ連絡を頂きながら、”夫婦の様に“連携しながら一緒に考えていきたいです。

これからの人へ就職を希望している方へ、メッセージをお願いします。

佐藤さん:雇用しているのは「あくまで仕事して頂く為」。「障害を持っているからこれくらいでいいよね」ということではなく、戦力の一人として入ってきて頂きたい。

あと大切なことは安定して働けること。「ちゃんと働ける体調になってから来てください」と伝えたいです。出社してから「体調が悪いので帰らせて頂きます」というようなことはあると思います。ですが、続くようだと重要な仕事をお任せすることが出来ません。そういった準備を経て、多様なスキルや経験をもった方がいるといいなと考えています。

廣澤さんとジョブコーチ吉野さんジョブコーチの吉野さん(左)と廣澤さん

 

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