『はたらく当事者インタビュー』丸山さん(株式会社ダブリュ・アイ・システム)

法人本部 2019/08/19

今回はオープナーの職場定着支援を活用しつつ、長く働き続けている「丸山 朋均」さんと職場で上司にあたる「本多 史朗」さんにインタビューを実施しました。

体調を崩さない働き方の1つとして、障害者雇用はある。

丸山さん(株式会社ダブリュ・アイ・システム)

今の会社について教えてください。

丸山さん:2013年に入社して、現在6年目になります。業務内容はコンタクトレンズのケア用品の通販で売り上げた商品と金額のデータ照合をメインに担当しています。勤務時間は11:30~18:30の6時間勤務です。

社風としてはピリピリはしておらず、全体的にフレンドリーだと感じています。他部署の方々とも自然に話す事もあります。

今の会社に入社するまでの経緯を教えてください。

丸山さん:病院のデイケアに通所していましたが、まったく家から出られませんでした。正直、生活リズムも崩れていました。この当時、働きたいと思い1社面接を受けましたが、「ブランクが長い」と言われ、何か訓練をした方がいいと思いました。もっと言えば、履歴書に書ける訓練先を考えていました。情報収集して、東京しごと財団の委託訓練を見つけました。ハローワークに紹介状を書いてもらい、障害者委託訓練を受講しました。受講の目的としては、当時からパソコンのスキルはあったので、決まった時間に起きて出勤して、帰宅することが一番の訓練の目的でした。

委託訓練終了後、当時、簿記3級をもっていて経理の仕事を考えていたので、4社程度の求人票をオープナーに相談して、今の会社に応募しました。

訓練で身についたことはなんですか?

丸山さん:通勤の体力を養えたことと、生活リズムを安定させることができたことです。また、障害のある方と付き合いができて、とても楽しかったです。

障害者雇用を選んだ理由を教えてください。

丸山さん:メリットは現在でも出勤の時間を配慮してもらえていることです。就業時間を考慮してもらうことで、混んでいない電車に乗ることができ、体調の安定につながっています。

社員全員が自分の病気や障害について細かく理解しているかはわからないですが、一部の社員の方に、自分の病気や障害を知ってもらう事で、殻に閉じこもらずに済んでいます。障害者ということで、引け目を感じにくいと思っています。レッテルを貼られているとも思っていません。なので、デメリットはあまり感じていません。

働く上で、努力や工夫していることを教えてください。

丸山さん:深酒はしない!次の日残ってしまうと仕事にならないです(笑)。

私は、眠れないこともありますが、睡眠時間がどんなに短くなっても、とにかく出社するようにしています。いい意味で、睡眠時間に捉われすぎないようにしています。

仕事では、スケジュールを組み立てる事が苦手なので、出社したら1日の予定を組み立てています。思いついたことなどはメモを別にとるなどして、目の前の仕事に集中しています。

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今の職場でのサポート体制や配慮されていることを教えてください。

丸山さん:配慮は先ほどもお伝えしましたが、勤務時間の調整です。

他には勤務状況や体調面について、1週間に1回、直属の上司と総務部長に「体調把握シート」を提出しています。提出したあとには必ず、コメントをもらえています。

コメントをもらうことで、とても安心しています。見守ってくれているような感じがしています。

就労支援を受けながら働くとはどのようなことでしょうか?

丸山さん:正直、会社を辞めたいと思ったことが、何度かあります。でも、相談する事で問題を解決しながら働く事が出来ています。過去には休職や部署異動もありました。

オープナーでの面談で、会社の状況や生活についての相談をすることができているので、辞めないで済んでいます。

自分から会社に直接言えない事でも、担当スタッフから伝えてくれることも大きいです。

最後に、これから働きたい精神障害者の方々へ、メッセージをお願いします。

丸山さん:就職はそんなに敷居は高くないです。昔は、敷居が高いと思って、作業所に長くいましたが、入社してみるとそれほどではないと感じています。

なぜなら、体調の安定と少しのスキルがあれば、働きやすいのが障害者雇用になります。

なので、働く前に仕事のスキルも大事だけど、生活リズムを整えておくことが本当に大事だと思います。

自分のことよく知るために主治医や支援者とよく相談して、「働く」を目指してほしいです!社会に出てもらえればと思います。

 

会話を多くすることで、体調の変化を見逃さないことが大切。

本多さん(株式会社ダブリュ・アイ・システム)

丸山さんの印象を教えてください

本多さん:明るく気さくな性格です。仕事への取組みも真面目で、業務でわからない点があると、積極的に質問していただけます。

丸山さんの会社でのサポートはどのようにしていますか?

本多さん:体調把握シートを利用しています。1週間ごとにご自身の体調変化や仕事への取り組み方を記載してもらい、担当オープナーの方と総務部長、そして自分の3名にメールにて報告してもらっています。

また1か月に1回、3者面談を行うことで、直接話し合う機会を設けています。

仕事上の問題点の確認を行い、解決方法を模索します。丸山さん自身の体調についても、所属部門内で共有を図っています。

精神障害者の方が定着するポイントはどのようなことでしょうか?

本多さん:プラス思考で考えることだと思います。健常者との比較で、そこからマイナス面を考えるのではなく、居ることによりメリットがあることを、常々私たち自身が感謝すること。そして何より会話を多くすることで、体調の変化を見逃さないことが大切だと思います。

就労支援機関との連携についてのお考えを教えてください。

本多さん:「心の拠り所」である就労支援機関と当社の定期的な話し合いは、話題が本人中心の為、丸山さん自身にとっても更に安心感が増すものと思われます。今後もオープナーと一緒に問題解決を行う定期的なトライアングル交流は継続すべきと考えますが、いずれ手が回らなくなるといった事態を危惧しています。

これから働きたい精神障害者の方々に一言お願いします。

本多さん:自分の持っている能力や才能を生かせる場所は、きっとあります。そんな職場と出会えることを願っています。

[終了]8/29精神障害者就労定着支援連絡会 第1回セミナーのお知らせ

オープナー 2019/07/29

オープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。

昨年度は企業・人事ご担当者様や地域の支援機関にむけて精神障害・発達障害の基礎知識を学ぶ研修会や当事者の声からみた障害者雇用の在り方、採用面接を考えるパネルディスカッションなどを企画してまいりました。

引き続き、今年度も開催しますので、ぜひ御参加下さい。

2019年度の第1回は、昨年度好評だった精神疾患を学ぶシリーズの第2回となります。「精神障害とは何か 発達障害・双極性障害・うつ病の基礎知識」と題し、精神科医師の立場からそれぞれの疾患について解説をいただきます。

「精神障害とは何か」 発達障害・双極性障害・うつ病の基礎知識

講 演 : 藤田 英親 先生 (国分寺すずかけ心療クリニック院長)

・日時  2019年8月29日(木) 13:30受付 14:00~16:00
・場所  立川グランドホテル
・対象者 精神障害者の方をすでに雇用している企業担当者、これから雇用しようとしている企業担当者、就労支援機関(就労移行支援事業所)
・定員  100名
・申込〆切 定員になり次第締め切りとなります

詳しくは以下をご覧ください。

精神障害者就労定着支援連絡会 第1回講演チラシ

[ご報告]多摩就労支援ネットワーク連絡会議

オープナー 2019/06/24

2019年6月6日(木)に毎年行っている多摩就労支援ネットワーク会議を開催しました。

1部に就業・生活支援センターオープナーの本体業務の報告と3つの受託事業(精神障害者就労定着支援連絡会、医療機関・就労支援機関連携モデル事業、中小企業応援連携事業)の説明を行いました。

2部の基調講演では、「依存症・摂食障害の理解」~就労支援の手掛かりを探る~をテーマに医療法人社団 碧水会 長谷川病院 デイケア科 科長 佐々木真一氏に講演していただきました。

まずテーマの理由ですが、最近オープナーに相談に来る方は様々な問題を抱えていて対応が2、3者必要になったり、病気の複雑化など相談内容が多岐にわたってきており、より新しい情報と知識をもって支援する必要があると感じていました。そこで、デイケアで実践者である佐々木氏から情報や知識など、ポイントとなるお話しを聞きたく今回のテーマとなりました。

依存症はアルコールや薬物、ギャンブルだけでなくゲーム障害や万引き(病的窃盗症)、ハラスメントなどもあり時代と共に幅が広がっていて、医療分野でも非精神病の方に注目されているという状況を知りました。私はアルコール依存の方の支援経験がない為、最近新しい薬が出たことを知りませんでしたが、アルコールを断つのではなく減らすという新たな治療薬の登場を知りました。同時にハームリダクション(害薬を減らす)という治療観に変わってきたという話が興味深く、聞き入りました。

摂食障害については社会的文化背景として、痩せていることを尊ぶ価値観(美の意識 自己管理・節制の証など)など心理社会的ストレスと対処困難な状況が引き金になる。治療も「体重の回復」が前提であり、薬物療法は存在せず、後遺症もある話しを聞き摂食障害の難しさを改めて認識しました。スポーツ選手が記録や勝つためにストイックにトレーニングの体形改善で摂食障害になったという話しを思い出しました。

■依存者の特徴として、“シラフでの生きづらさを抱えている”ということ

「自己評価が低く」「自分を大切に出来ない」「孤独」「見捨てられ不安が強い」など

支援のポイントは

「支援する時はコントロールしない」「ルールを守らせることにとらわれすぎない」

「長い目で回復を見守る」「明るく安心出来る場の提供」「自立を促す関わり」など

■摂食障害のある方の傾向は、“期待を裏切れない生真面目なタイプの人が多い”

「疲労の覚知が難しい」

支援のポイントは、生活リズムが乱れやすいので「きめ細かな体調確認」を行う。

さらに依存症と摂食障害の背景にあるのはトラウマ体験であり、その関わりや配慮、フラッシュバック時の対応などのお話もして頂きました。

講演を聞き、これまでの知っていた依存症の知識や情報は古く、初めて聞く言葉や従来の治療では考えられないような新たな治療観など、驚きと共に知る事が出来ました。

無理に辞めさせたり、こじ開けたり、聞いたりせず無理のない環境を整えていき、医療との継続的な連携と正しい理解・知識とともに支援する姿勢が必要だと感じました。また実際、非精神病の方が働くとなった時に治療しながら定着に向けて周囲の理解や環境をどうすればいいのか考えなければいけないと感じました。

短時間ではありましたがとても内容の濃い講演をして頂き興奮して聞きました。今後も支援の質を高めていくために情報をキャッチしていこうと感じた講演でした。

 

*ハームリダクション:治療関係を維持・継続しながら関連する悪影響を少しでも軽減させる新たな治療、

 

吉岡  誠

多摩就労支援ネットワーク会議を開催します

オープナー 2019/05/22

毎年ハローワーク立川と共催で行っております、『多摩就労ネットワーク連絡会議』を今年度も開催いたします。

「依存症・摂食障害の理解」 ~就労支援の手掛かりを探る~

講師 医療法人社団碧水会 長谷川病院 デイケア科科長 佐々木真一氏

・日 時  2019年6月6日(木) 14時~16時
・場 所  立川地方合同庁舎(ハローワーク立川) 3階会議室
・対象者  就労支援機関・ハローワーク・行政・就労相談・支援に携わる方
・定 員  100 名(定員になり次第締め切りとなります)
・申込〆切 先着順

詳しくは以下をご覧ください。

2019年度多摩就労支援ネットワーク連絡会議チラシ

[ご報告]第3回精神障害者就労定着支援連絡会を開催しました

オープナー 2019/05/22

2018年度より、オープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。

<前回までの報告はこちらをご覧ください>

だいぶ間があいてしまいましたが、1月18日に行われました第3回セミナーを報告させて頂きます。第3回は「働く当事者からのメッセージ~当事者セミナー」と題し、連絡会事業との同時開催という位置づけとさせていただきました。

 

【当事者セミナーとは】

今年度で8回目の開催となりました。登壇メンバーは、毎月オープナーで行っている、働く当事者のための茶話会、通称、「仕事談話室」のメンバーと、談話室には参加していないが、伝えたいことがあるメンバーです。内容は、これから病気と付き合いながら働こうと考えている方達に向けて、障害者雇用の実際を自分の体験談を通して、時には失敗談も織り交ぜながら語ってもらいます。

次のステップへ踏み出す足がかりや就職までのイメージ作りに役立てて貰えたらという想いで開催しています。

そのため、今回のセミナー参加者は、精神科病院やクリニックのデイケアに通所中の方、就労支援機関や地域活動支援センターにて準備をすすめている方、またそれぞれ施設の支援者、各企業の人事担当の方、現場指示者の方等、様々なお立場の方が集まっての回になりました。

 

第1部は「私の病気と障害」40代男性のオープナーメンバーに講師として登壇して頂きました。

発病前どんな生活をしていたか、どんな学生時代だったかから始まり、統合失調症を発病した頃のこと(在職中だったそうです)、病気がありながらどのようにして訓練して社会復帰していったか、またその葛藤などが生々しく語られました。そして支援機関を使っての転職活動や、その後転職し長く働き続けている工夫までお話いただきました。

話の中で印象的だったのは「昨日の自分を超えていくという心構えをもっている」「厳しい現実も事実として受け入れることも大切」ということでした。

つい発病以前の自分と比べてしまったりということもあったそうですが、仕事を任せてもらう中で成長し自信がもてるようになったそうです。

また、デイケアや通所先に日々通っている皆さんの中には自分がやっていることに自信がもてなかったり、前に進むにも回り道をしていると感じる方もいると思いますが、そんな方へのメッセージとして、「希望を持って生きていく事は病気に効く」という話もありました。他にも具体的な病気の予防と対処として「よく寝る/服薬をしっかりする」、仕事の乗り切り方は「仕事の事は職場でだけ考えて、ON・OFFをはっきりする」ことだと紹介して下さいました。

第2部では「準備と定着とは?」と題し、3名のオープナーメンバーとパネルディスカッションを行いました。

1人めは特例子会社にて事務職として6年半勤務の男性、2人目はアパレル関連で接客業を4年弱勤めている女性、3人目は特例子会社で店舗巡回清掃を1年勤めている女性です。それぞれに背景や生活環境が違い、部下をもつ人、すでにかなり独り立ちされている人、2年目に入ったばかりの人、家庭をもっていたりお子さんがいたりとバラエティに富んでいます。

話題は自己紹介がてらのそれぞれの道筋の紹介、自分に合っている通所先の見つけ方、仕事と生活のバランス、自分の病気と付き合いながら働くための努力、生活面での工夫等が話されました。自由な雰囲気の中、3人のキャラクターで笑いもおきながらの和やかな会になりました。

中でも特にアンケートや皆さんの反響があった話題を紹介すると、1番は「相談について」でした。

「相談するコツ」や「相談って何のためにやるの?」「愚痴と相談の違いって?」と、自分が働く中で相談することがどのように重要か、どう生かしているかが話されました。

ある人は「自分の判断で突っ走っちゃったりすることがあるので、相談をしたことで自分で判断せず答えを貰えたことがよかった。すごく楽になったが勇気はいる。トレーニング時代は出来なかった」との答え。また他の方は「どこからが相談かが難しく、支援者と話していても相談はあまりしてこなかった。自分が思った答えが返ってきて欲しいからそうじゃないならいいやと思って。職場では堅苦しくやらなくてもいいと思います!」と。また3人目の方は「自分の気持ちの整理として相談している」とのこと。他にも「いい人ぶりたい気持ちもあるので、そもそも言い辛い」などなど、3者3様の本音トークが新鮮でした。

支援者の立場からすると、つい口癖のように「相談して下さいね」と言いがちですが、相談をもちかける時の効果的な話し方や支援者を上手に活用していく方法については、社会人歴が長い方のセリフにはさすが!の説得力がありました。またパネリストメンバーの「相談しても意味がないんじゃないか、自分で判断した方が自分の経験にもなるし、評価されるのではないか」という気持ちにもどこか共感できますし、障害があるなしに関わらず社会人として誰もが感じる部分だなと感じます。

そういった部分も包み隠さず話し、ご参加の皆さんと質疑応答を通してやり取りできるところも当事者セミナーのいいところでもあります。

最後に会社の人事担当者へのメッセージ、支援者に向けてメッセージもお聞きしました。

「長い目で見て支援してほしい」「道半ばで送り出さずに、社会人としてのルールやマナーを知った人を送り出してほしい」とのコメントがありました。

 

連絡会は2019年度も引き続き行っていきます。ご参加いただいた企業・支援機関の皆様、ありがとうございました。

(高橋智子)

 

 

[終了]3/13精神障害者就労定着支援連絡会 第4回セミナーのお知らせ

オープナー 2019/03/07

【3/7(木)18:00現在 申込状況 : 残り若干名の受付となっております。3/7までにお申込み頂いた皆様はお席を確保しております】

今年度、オープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。

8月30日、10月31日の2回は統合失調症をはじめとした精神障害、発達障害を知るセミナーを開催してきました。また、1月18日には例年オープナーが行っております「当事者セミナー」との共催として「働く当事者に聞く! 働く準備と職場定着」と題しセミナーを行いました。お陰様で毎回満席を頂き、キャンセル待ちが出ている状況となっております。

つづくシリーズ第4回では、「平成30年度精神障害者就労定着支援連絡会 事業報告」および「精神障害者の採用面接ポイント~面接は雰囲気作りから始まる~」と題し、精神障害の方を雇用するための採用面接についてデモンストレーションを交えながらポイントを学ぶセミナーを開催致します。

基調講演

講 演 : 大森 理智 氏 (みずほビジネス・チャレンジド株式会社 企画部 職場定着支援チーム)

・日時  2019年3月13日(水) 13:30受付 14:00~16:00
・場所  立川グランドホテル
・対象者 精神障害者の方をすでに雇用している企業担当者、これから雇用しようとしている企業担当者、就労支援機関(就労移行支援事業所)
・定員  150名
・申込〆切 定員になり次第締め切りとなります

詳しくは以下をご覧ください。

精神障害者就労定着支援連絡会 第4回講演チラシ

[終了]12/25精神障害者就労定着支援連絡会 第3回セミナーのお知らせ

オープナー 2018/12/25

今年度よりオープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。

8月30日、10月31日の2回は統合失調症をはじめとした精神障害、発達障害を知るセミナーを開催してきました。毎回満席を頂き、ありがとうございます。

つづくシリーズ第3回は、「働く当事者に聞く! 働く準備と職場定着について」と題し、基礎知識からは一歩進んだ、病気や障害と付き合いながら働いている当事者から学ぶセミナーを開催致します。

第1部 「働く当事者に聞く!」 ~私の病気と障害~

講 演 : 当事者講師 (オープナー利用メンバー)

第2部 「働く当事者に聞く!」 ~準備と定着とは?!~

講 演 : 当事者講師 3名、 オープナー職員

・日時  2019年1月18日(金) 13:30受付 14:00~16:00
・場所  立川グランドホテル 4階 カルロ
・対象者 精神障害者の方をすでに雇用している企業担当者、これから雇用しようとしている企業担当者、就労支援機関(就労移行支援事業所)
・定員  75名
・申込〆切 12/25(火)に申し込みを締め切りました。ありがとうございました。

詳しくは以下をご覧ください。

精神障害者就労定着支援連絡会 第3回チラシ

愛知県豊川市に事業所見学と講演の出張に行ってきました

法人本部 2018/12/06

今回は5年ほど前からお付き合いのある社会福祉法人 若竹壮 あけぼの作業所の職員である柴田さんから講演の講師をご依頼いただきました。

内容としては、「自立訓練と就労移行支援の活用の仕方」と「定着率をあげるための支援・関わり方」についてでした。実はものすごいプレッシャーでした(汗)

21日(水)は豊川市内にある障害者施設を見学させていただき、22日(木)が緊張の本番でした!

事業所見学は驚きの連続!そこから感じた地域としての課題

最初に、自立支援協議会を見学させていただきました。豊川市の人口は18万人ということで、ほぼ立川市と同じ人口ですが、精神障害のある方達の社会人資源の少なさに正直、驚きを隠せませんでした。具体的な社会資源は、豊川市全体としての就労移行支援事業所は4ヶ所、そのうち精神障害者に特化した就労移行支援事業所は1ヶ所。地域活動支援センターに関しては、日中活動の場として活用できるのは1ヶ所ということでした。このことについては、豊川市で支援している皆さんも「なんとかしたい!」という気持ちで考えていて、「精神障害の方達が地域で安心して、働いて暮らせる社会」を目指して支援者の熱さも感じることが出来ました。
熱量が同じ仲間同士、事業所間の垣根を超えて、障害者雇用などを地域に発信していく意見交換が活発に行われていました。「就労部会が1番活発なんです」と話されていた、皆さんの表情がとても素敵で、国立はまだまだだな…とも感じた瞬間でした。また、とてつもない忙しさの中で、週1回の頻度で就労部会を開いていると聞き、小声で「すごい…」とつぶやいてしまいました。

いざ、豊川市の事業所に見学へ!

1ヶ所目は社会福祉法人 若竹荘 あけぼの作業所です。こちらの事業所は知的障害の方達を対象にしています。見学風景1

多機能型で、就労移行支援と生活介護事業です。就労移行支援に登録されている方達は、社会福祉協議会の建物内で、清掃訓練をしているとの事で、そちらを見学させていただくことが出来ました。
最初に感じたのは、全ての業務に対して、マニュアルが整備されており、どの利用者へも対応ができると同時に、職員側の指導の標準化が出来ていることに感心しました。
職員の定盛さんは「いい所をみつける、そして、伸ばす」の言葉はとても印象的で、ご本人の目標設定や職員が気づいたことなど、振り返りシートを活用しながら、関わっていました。

訓練をしているとついつい重箱の隅をつつくような対応になりがちな中で、「今、訓練でやる目標と課題」を3人の職員で共有するシステムが参考になりました!2

余談ですが、3人の職員での役割分担を決めていて、厳しめ、お兄さん的、お母さん的な職員として、対応しているとの事でした。そして、就職が決まった方達は笑顔の写真入りで、勤務条件や就職までの利用期間などを廊下に貼り出している工夫もされていました。利用者の方達のモチベーションになる工夫もされていました。

生活介護事業の見学もさせていただきました。3パンや某大手自動車会社の拭きあげで使用するタオルの製造に従事されていました。

とにかく質の高い製品が出来上がっており、法人の稼ぎ頭という説明にも納得できました。

生活介護の方達なので、働くことが目的ではない方達も大勢いらっしゃいました。4

働くことが全てではないため、お一人お一人ができることで、とても笑顔で過ごされていたのもとても印象的でした。

 

 

2ヶ所目は有限会社 ウィングです。5こちらは就労移行支援事業所と就労継続A型とB型の多機能型で、3障害を対象としています。こちらの事業所は、今夏にピアスの見学にいらしてくださりました。有限会社が立ち上げたものだけあって、本当に職場!でした。
就労移行支援の訓練では、中古品のインターネット販売を取り扱っており、出品から発送までを利用者の方が対応しているとの事でした。
6 また、就労移行支援に登録している方達には、ビジネスマナーやコミニュケーションについての座学なども行っているとことでした。
就労継続B型でも内職作業や農作業などを中心に行っているそうです。地域の特性もあり、農作物の袋詰めや車の部品組み立てなど、幅広く行っていることが特徴でした。

 

さらに、地域活動支援センターの見学にも行かせていただきました。豊川市の相談支援事業所が16ヶ所あるのに対し、精神障害者の方が日中利用できる地域活動支援センターは1ヶ所とのことでした。

1ヶ所に集中してしまっているため、利用定員の20人の方達がほぼ毎日通所されているそうです。プログラムも試行錯誤しながら、マジシャンを呼んだり歌を歌ったり、外出プログラムを取り入れたり・・・。本当に一生懸命に「精神障害者の方達が外に一歩出てみる」「日中に安心して通える場所」を目指した取り組みをされていました。

こういった地域活動支援センターが1つでも多く増えて欲しいと強く感じました。 (さらに…)

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【ご報告】第2回精神障害者就労定着支援連絡会を開催しました

オープナー 2018/11/28

今年度、オープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。年4回の予定となりますが、そのご紹介をさせて頂きます。

第2回は“「発達障害とは何か」~企業における就労・定着支援の現状と課題~”と題し、約130名の方にご参加いただきました。

精神障害者雇用の定着の現状は、課題は山積しています。ハローワークからの就職を追った調査でも、1年定着率は49.3%にとどまっていること等が報告されています。「長く安定して働き続けられる」ことについて、働く当事者本人、企業、支援機関が連携していく事は欠かせません。

その中でもオープナーでは、雇用の入り口である採用面接に着目しました。私達は日々の支援の中で職業準備の整った障害者が多く採用されていないことを実感しており、戦力となる障害者がひとりでも多く採用されることを願い、企業の一助となるよう「精神障害者就労定着支援連絡会」事業をすすめていきます。

まず、東京都福祉保健局 障害者施策推進部 就労支援担当課 栁沼恵美課長より、精神障害者就労定着支援連絡会事業についてご説明をいただき開会となりました。

次に、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 研究企画部 障害者支援部門研究員 知名青子氏より「発達障害とは何か~企業における就労・定着支援の現状と課題~」と題してご講演頂きました。

はじめに、“そもそも発達障害とはどういったものなのか”を概念、制度、定義、診断項目等からご説明頂き、とても幅のある障害像なのだということを再確認しました。近年よく使われるようになった「自閉症スペクトラム障害(ASD)」とはどういったものなのかや、発達障害と手帳取得との関連についても教えて頂きました。

次に発達障害をお持ちの方が職業生活で困難さを抱えやすくなる要因を教育の面からとらえ、改めて、大人になってからの職業選択時だけではなく、学生時代からの特性理解の重要性や、それをふまえた職業生活の重要性を知りました。

また「職場における配慮の視点」も紹介して頂き、「職場のルールの指導について」等実際に起こり得る場面を想定しながら、社内だけで対応できるのか、どこからは外部の支援者と対応するのか、どのように指導・介入するか等のレクチャーがありました。

障害者職業総合センターによる研究からは、「採用時に求める“企業が求める能力”」について取り上げられていました。企業規模や段階によってかなり隔たりがあり、小規模の企業ではコミュニケーション能力よりも基礎能力を重視していることがわかりました。また、よく当事者本人は「なにか資格をもっている方が採用時優位になるのでは」と考えますが、採用する側にとってはどの企業規模でもそれ程重視されておらず、志望者と採用側に認識のズレがあることがわかりました。

 

ご参加の皆様からは「発達障害の方の混乱の原因等、障害特性と対策について理解を深めることが出来た」「資料に具体的な能力の掴み方がのっており参考になった」との感想をいただきました。障害者雇用がすすんでいく中、それぞれの現場ではさらに発達障害をお持ちの方と出会う事はさらに増えていく事と思います。

私は発達障害についての研修は何度か出させて頂いていますが、まだまだ障害の定義や障害の捉え方が定まらず変わっていく障害でもあり、ずっと学習し続ける必要があるなと感じました。さらに教育場面、特に学生時代から職業選択について考えるきっかけを作っていく必要性について新たな視点を得ることが出来ました。

ご参加いただいた企業・支援機関の皆様、ありがとうございました。

(高橋智子)

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精神障害者就労定着支援連絡会 第2回セミナーのお知らせ

オープナー 2018/10/11

今年度よりオープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。

8月30日には「精神障害とは何か~企業が知りたい病気の基礎理解と応用」と題しセミナーを開催しました。お陰様で満員を頂き、ありがとうございました。

シリーズ第2回は、「『発達障害とは何か』 企業における就労・定着支援の現状と課題」と題し、講演を行います。

「発達障害とは何か」 ~企業における就労・定着支援の現状と課題~

講 演 : 知名青子氏(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

障害者職業総合センター 研究企画部 障害者支援部門 研究員)

・日時  2018年10月31日(水) 13:30受付 14:00~16:00
・場所  立川グランドホテル 2階 キャンティグランデ 
・対象者 精神障害者の方をすでに雇用している企業担当者、これから雇用しようとしている企業担当者、就労支援機関(就労移行支援事業所)
・定員  150 名
・申込〆切 10月12日

詳しくは以下をご覧ください。

精神障害者就労定着支援連絡会 第2回講演チラシ

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