小堀先生の個展でライヴ!

そのほか 2017/09/25

棕櫚亭第Ⅰで絵画教室の講師をしてくださっている小堀令子先生の個展「Black Hole & Earth Attack」が、9月5日(火)から9月15日(金)まで六本木のストライプハウスギャラリーで開かれました。その個展開催中に開かれるパーティで何か演奏をという話を小堀先生からいただきました。
棕櫚亭にはオープナーで結成された「グラッシーズ」というバンドがあり、そこに棕櫚亭第Ⅰから中野、本部事務局から北村がお邪魔する形で実現しました。

曲目は普段グラッシーズがやっているオリジナル曲を中心にスタンダードを織り交ぜ6曲。エネルギッシュな小堀先生の作品に囲まれ、絵画を観ながらの演奏は格別の時間でした。練習のときよりも本番が一番いい演奏だったのではないかと思います。
会場の反応は正直でその緊張感はライヴならではのものでした。音楽と絵画を結ぶ人と場所が反応し、共鳴、反発する瞬間がもっと生まれたのならよかったのですが、そこはまだまだ自分の力KIMG0147不足を痛感しました。また会場やバンドメンバーに反応しながらその場で表現していくライヴ演奏と、完成作品としてそこに展示されているものを表現とする絵画との違いはとても興味深かったです。小堀先生に「もう1本線を引くという選択肢もある中、何をもってこれで完成!ってなるのか?」などと野暮な質問をしてしまいましたが、中途半端なものばかり作っている自分としては完成って存在するのか?と考える日となりました。小堀先生は「作っているときは必死だから、一度放っておいてしばらくしてから縦のものを横にしてみたりしながらもう一度よく見てみるとまた気づくことがある。でも時間切れ~なんてときもあるのよ(笑)」なんて優しく言っていましたが…特効薬を求めて形だけを作ると速さと量の副作用に苦しみますよと言われているようでした。

声をかけてくれた小堀先生はもちろん、搬入から搬出まで気持ちよく対応してくれたギャラリーの方や、駆けつけてくれた棕櫚亭のみなさんをはじめとする温かいお客様に心より感謝申し上げます。普段3人(歌、ピアノ、ギター)で活動しているグラッシーズですが、今回スケジュールの都合でピアノの百田さんが不参加だったことが唯一残念でした。いつか百田さんとも一緒に演奏出来たらと思います。

北村宥志

『今の自分たちにはどんな音楽ができるのか』なんて考えながらかっこよく出来ればよかったのですが、そんな余裕はどこへやら、とにかく手持ちの材料をこねくり回しながら、楽曲を作り上げていきました。個人的にはうまくいかなかったところもありますが(メンバーで選曲について話しあったり、リハーサルをしたり、機材を運搬したり、そういう過程も含め)楽しく取り組むことができ、良い経験を積むこともできました。 今まで様々な場所で音楽を演奏してきましたが、絵画を背景に演奏するというのは初めての事で、当初から一体どうなるのか不安はありました。それゆえ、たとえどんな不格好な音楽になろうとも、ほんの一瞬でもあの空間にふさわしいものになればと念じながら演奏をしました。そんな祈りが通じたかはわかりませんが、演奏が終わり聴いていただいたお客さんの笑顔を見ることができたとき、それは私たちバンドにとって最高に幸せな瞬間となりました。 改めまして、私たちには勿体ないくらいの素晴らしい機会を与えてくださった小堀先生に感謝いたします。

ブルーナイン中野

KIMG0142個展で歌ってほしいという出演依頼。嬉しくもあり、ちゃんと歌えるのか不安もありました。個展の雰囲気を想定してゆったりした演奏に変化。短時間の集中練習をし、当日は今できる精一杯を届けることができたと思います。聴いてくださった方から「良い歌だった」と好評の言葉をいただき、やって良かったと思いました。これからの活動においても良い経験ができたと思います。

吉岡誠

KIMG0108

 

 

六本木の個展ライヴをした会場は明るい日差しの中で楽しく歌えました。また外に出てライヴをやってゆきたいと思いました。先生の個展の縁で楽しい出会いもありよい1日を過ごしました。

内藤篤子

グラッシーズ
内藤篤子(vo)
百田勇介(key)
吉岡誠(gt)

中野裕介(ba,vo,cho)
北村宥志(gt)

【報告】9/1 (金)棕櫚亭30周年フェス(棕櫚亭Ⅰ会場) その5

そのほか 2017/09/15

 

棕櫚亭30周年フェス ~棕櫚亭Ⅰ会場~

棕櫚亭Ⅰのテーマは<未来>!
スタートから1時間ほどは、来てくださったメンバーさんと麦茶を飲みながらのんびりおしゃべりするという棕櫚亭らしいムードで始まったⅠの会場。
人が集まり始めたころから、さあやりますか!と、会場のみんなで「Stand By Me」の熱唱からトークイベントがスタートしました。

松尾さんと櫻井さんをゲストに迎えてのトークは病との格闘を経て、今、自分らしさを活かした仕事を楽しんでらっしゃるお二人の魅力が全開でした。
また、お二人だけでなく、会場のみなさんが「自分の場合は」と語ってくれたのもすばらしく、一緒に空間をつくることができました。

HP用②

また、壁一面に貼られた、「わたしの未来 棕櫚亭の未来」というテーマでの100枚近いメッセージもどれも楽しいもので、今と未来を共有できたいい時間となりました。

HP用①

来てくださったみなさん、ありがとうございました。
(なびい 伊藤)

【報告】9/1(金)棕櫚亭30周年フェス(ピアスⅡ会場)その4

そのほか 2017/09/15

棕櫚亭30周年フェス   ~ピアスⅡ会場~

ピアスⅡ会場では絵画展と絵画のワークショップを開催しました。
棕櫚亭Ⅰのメンバーが描いた作品展示と、来場したみなさんが思い思いの絵を描いて楽しみました。

会場には棕櫚亭Ⅰのメンバーが作ったポップコーンと棕櫚亭Ⅰでお世話になっている杉田先生に
ご協力いただいたチョコレートのおみやげもあり、ポップコーンやチョコレートを食べながら
他の会場イベントの同時中継を見て休憩しつつ楽しむひと時もあり、時には絵を描く場所がないほど
来ていただいて嬉しい悲鳴でした。

また今回は特別に棕櫚亭Ⅰの絵画教室講師の小堀令子先生の作品も展示させていただきました。
お忙しい中での小堀先生のご協力に心より感謝いたします。

フェス用5  フェス用10

絵を描いたみなさんの中には普段は描いたことがない人もいましたが、
描いてみるとみなさん楽しいという感想で、
みなさんの作品はどれも素敵な作品に仕上がって力作ぞろいです!

フェス用12  フェス用7

フェス用3  フェス用2

作品は家に持ち帰った人もいましたが、ピアスⅡに飾って下さいという人の
寄贈していただいた作品はピアスⅡに展示中です。

フェス用8  フェス用6

フェス用1  フェス用11

たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。
(棕櫚亭Ⅰ 篠原)

 

 

 

 

 

【報告】9/1(金)棕櫚亭30周年フェス(ピアス会場)その3

そのほか 2017/09/15

先ずは参加してくれた皆様、音楽や、報告会などに出演してくれた皆様、ご協力いただいた小堀先生、杉田さん、お祝いを頂いた石川先生、ぶーけの松井さんにお礼をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。

棕櫚亭30th記念フェスをふりかえって

今回のイベントは今までにない様々な新しい試みを行っています。まずは『フェス』ということで、4会場を使って同時にイベントを行ったり、会場同士をSkype(インターネットを利用したテレビ会議システム)を使い中継を行ったりしています。

なぜそのような形になったかというと「今まで棕櫚亭にかかわってくれた方々すべてと分かちあいたい」という思いからでした。しかし、各施設合わせると現利用者だけでも100名以上いるため、ピアスの食堂だけでは対応する事が出来ません。ある実行委員から『せっかくある施設をフルに使ってお祭りをやってはどうか』という提案があり、『フェス』という形に落ち着いたのです。

しかし、『フェスをやりたい!』と大きく出たものの、参加者の見通しがなかなか立たないこと、企画の内容もいきおいで決めてしまった感もあり、『これでみんなが本当に楽しんでもらえるだろうか』と当日までずっと不安でしたが、ベテラン職員を始め全てのスタッフ、利用者の方々が、このイベントを盛り上げるためにと、準備を進めてくれました。おかげで音楽祭、絵画展、みんなの主張、活動報告会などのイベントを行うことができ、参加された方々から『楽しかった!』との言葉を多くいただくことができました。

当日の参加者も120名を超え、多くの方にご参加いただきました。少しだけですが、ピアス会場の様子をご紹介すると

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音楽祭では、歌や詩の朗読、ウクレレの演奏やバンドなど出演者の皆さんの多彩な部分をとても感じることが出来ました。観客の方々も、とてもノリがよく楽しんでくれていたようです。その中で普段はおとなしい方が音楽のリズムに合わせ、体を動かしている様子をとてもほほえましく感じました。

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天野さんの講演では棕櫚亭での30年間の活動を振り返って頂いています。会場の皆さんにも棕櫚亭Ⅰ、ピアス、オープナー、各施設でのエピソードを聞き、会場全体で共有することが出来ました。その中で感じるのは精神障害者を取り巻く状況の変化です。精神病院に隔離されていた状況から、地域に移り、就労をめざし、自分たちの幸せを発信していく。大きく世の中が変わってきたのだと感じました。最後に皆さんに向けて『当事者が自分たちでサービスを作っていく大切さ』『メンタルヘルスだけでなく、体の健康も大事』と2つのメッセージを頂いています。

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会場のいろんなところで久しぶりに会う面々や過去の写真などを見て『あー、なつかしいね!』と昔話をする笑顔がいっぱいでした。ある方は棕櫚亭の30年の年表を見て、『この時自分が最年少利用者だったです』とメッセージを残していました。またある利用者さんの『もうきっと(棕櫚亭には)来ないと思ってた。でも来て良かった』という言葉も印象的でした。またこんな形でつながり直すことが出来た。今回のフェスはそんな機会にもなったようです。

棕櫚亭は今まで、利用者の方々と『いっしょに作る!いっしょに楽しむ!』を大切にしてきた法人です。今後もこういった形で日頃の活動や、個人の報告などをしあえる機会を続けていきたいと感じています。

各施設でのイベントの様子も随時ホームページに掲載いたします。そちらも是非ご覧ください!

棕櫚亭30thフェス実行委員会 吉本佳弘

ちなみに言葉探しの答えですが『はれのちくもり』でした。CさんSさん正解ですよ!探してくれてありがとう(^-^)

 

【報告】9/1(金)棕櫚亭30周年フェス(なびぃ会場)その2

そのほか 2017/09/14

棕櫚亭30周年フェス ~なびぃ会場~

なびぃ会場では2つの催しを行ないました。

前半は、各施設(ピアス・オープナー・棕櫚亭Ⅰ・なびぃ)の今の様子や事業の説明をそれぞれのメンバーさんとスタッフから発表してもらう「活動報告会~フェスver~」を開催しました。それぞれ趣向を凝らした発表で、実際のミーティングの場面を再現した寸劇や、ふだんの作業風景をコント仕立てで見せてくれたり、実際利用してみての体験談など、盛りだくさんの内容でした。

後半は、「棕櫚亭と私」というテーマでみなさんの「主張」を聞かせて頂きました。各所のメンバーさんがご自身のこれまでの体験、病気や障害のこと、棕櫚亭とどんな風に出会い関わってきたか、そしてこれからの夢・・・を語って下さいました。悲喜交々、それぞれの人生の物語に、会場全体がじっと耳を傾けて、みなさんのお話に聞き入っていました。

笑い有り、涙あり、とても濃い内容で、3時間が本当にあっという間でした。

フェスなびぃ000フェスなびぃ001

そして、最後には職員もYOSAKOIソーランに乗せて、渾身の舞とともに思いの丈を主張させてもらいました!踊るのに必死で誰が何を叫んだかちゃんと覚えてないのですが・・・職員の熱い想いも伝わった!!・・・と思ってます。。。

(なびぃ奥迫)

【報告】9/1(金)棕櫚亭30周年フェス その1

そのほか 2017/09/14

去る9月1日、棕櫚亭30周年を祝うフェスを開催しました。

当日は、あわや台風接近かという「はれのちくもり(少し雨)」の天候にも関わらず、

125名というたくさんの方にご参加頂くことができました。

当日、会場に足を運んで下さった方、準備や当日の発表などに関わってくださった方、

周知にご協力くださった方、皆様本当にありがとうございました。

今回のフェスでは、棕櫚亭の各事業所で様々なイベントを行いましたので、

各所の様子を随時アップしていきたいと思います。

残念ながら今回ご参加頂けなかった方は、ぜひこちらでフェスの様子をご覧頂ければと思います。

(フェス実行委員 奥迫)

SPJ(棕櫚亭ぴあ事務局からのお知らせ)

そのほか 2017/05/08

ゴールデンウイークも終わり皆さんそれぞれの日常に戻ったかと

思います。棕櫚亭も4月23日(土)は盛大に30周年パーティーを終え、SPJ事務局も新しい

年度にはいりました。4月1日は花見は雨のため中止でしたが、8日には9名の参加者で

ピアスⅡで茶話会が行なわれました。事務局も8名に増え、これから自分達が元気に

なれるような当事者活動がはじまりました。8日の茶話会の内容は他で話さないという

ルールのもと明らかにできませんが、体験してみて、聞いて話してみて体験いただければ

と思います。参加してみて元気になれた。(Aさん)

会話がここだけの話しなので、安心して本音を言えた(Bさん)

次回茶話会の予定は 5月13日(土) ピアスⅡ 2:00~4:00までです(参加費100円)

みなさんふるって参加ください。

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SPJの活動について

そのほか 2017/03/17

棕櫚亭当事者活動が始まりから2年目を向かえようとしていますが、事務局が立ち上がってから、1年目当事者3人、現在は4人に増え、来年度の半期活動予定も決まりました。SPJとは(棕櫚亭のS、ピアのP、事務局のJ)の略で、以前あった当事者の集まりを発展させ職員に頼らず、自分達が、病気を持っているメンバーと共に活動したいという希望が天野前理事長の考えとマッチしたことで始まりました。

昨年度は勉強会2回、料理教室2回、茶話会2回などを行ないました。

今回お伝えするのは3月11日、ピアスⅡで行なった茶話会の様子です。茶話会の内容は蒸し返さないというルールで明らかにはできないのが残念です。6名のメンバーの一人暮らしをしている人もこれからしようと思う人も、実際「こんなことに困る」みたいな率直な意見交換もできました。一人暮らしの楽しいことや、こんなことに困ったなど盛りだくさんな2時間でした。

今回参加いただけなかった人もぜひ今後の茶話会に参加ください。話すことですっきりできる体験をきっと得られると思います。

今回の茶話会を始めるにあたって天野さんには、この2年間SPJを一緒に立ち上げてくださり、相談に乗ってくださったことに感謝の気持ちを込めてSPJ事務局からスカーフ2枚と花束、色紙を送らせていただきました。

スカーフは女性2名が新宿まで求めてくださり、天野さんも大変喜んでくださりました。今後も少しの間アドバイスをいただけることになり、力強いです。

当時者の当時者による活動が、「病気があっても幸せを感じられる」その一翼を担える活動ができればと、考えています。

SPJ写真

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理事長退任に当たって

法人本部 2016/12/05
本当に終わりという日が来るものだと新理事長に花束をもらって、しみじみ思った最後の理事会でした。悲しいとか寂しいとかよりやっとここまで来たという安堵感と嬉しさでいっぱいです。
世代交代、組織継承をお題目のように唱え続けたこの数年でした。現場の忙しさや、ワーカーであり続けたい、経営者になりたくないという次世代リーダーたちの本音が漂う中、本当に大丈夫なのかという不安が胸をよぎったことも多々あります。多分現状維持が一番簡単だし、現場も充実するかもしれない。それでも、30周年を迎える今、敢えて交代してゆくことが棕櫚亭にとって必要だと思ってきました。グループは生き物と言いますが、組織も時には生々しい生き物です。職員もメンバーも入れ替わりがあり、事業も時代的制約の嵐で、波風が立つことも多々あります。その中でいつも考えていたことは、全体力量を意識すること、やりがいをもってみんなが働けるよう条件整備と環境づくりに勤めること、問題や課題は議論して早めに解決することなどなど案外地道な(時には保守的な?)ことでした。経営状態が悪化したり、定員割れになったり、いざこざの絶えない組織では良質な対人援助ができるはずはありません。小さくとも風通しのいい棕櫚亭をそのまま渡したいというのは実は私の悲願でした。
精神障害当事者や家族が少しでも楽になる為に、まだまだやることの多い長い仕事だから、次世代また次々世代と繋げていかなければならないのです。そういう意味では40代後半から50代のベテランが数名いて、30代に厚みのある今が一番の交代時機です。そのことを随分話し合って目配り気配りしてきましたが、本当にここでバトンを手渡すことができて幸いです。

ふりかえればさまさまなことがありました。精神病院15年の勤務で5回の転職、時には解雇、時には休職というあまり褒められない働き方をしてきた私が、棕櫚亭で30年働かせてもらえたのは、実に幸運でした。思えば医療ヒエラルキーに反発して、創設者の女たち4人が自在に動きまわり、社会福祉法人にしてからは、組織自体が社会化していく過程で、私自身もいつしか大人になっていったようです。
この間出逢った多くの当事者と、喜びを分かち合ったり、挫折や再発に向き合って涙したりー。そんな時間は私の中にしっかり刻まれていて、これが、まさに私にこの仕事を通算45年続けさせた一番の原動力でもあります。亡くなった方達、消息のわからない方達、無念の思いで病院にい続けた方達にも深く深く御礼を言いたいと思います。この思いは確実に次の世代につなげるということ、それを伝えた上での降板だということもご理解ください、本当にありがとうございました。

PS なぜかバンコクのスタバでこれを書いています。息子宅の新生児育てのヘルブとして来て一週間。家事育児の苦手な私の新しい試練です。
いつも棕櫚亭周辺にいた子供達も育っていき、私自身がやっと大人になったと思ったら、もう孫持ちのおばあちゃん。次の命はぐんぐん大きくなってゆきます。世代交代はそこから見ても自然の流れなのでしょう。

再来週には国立に戻って、来年、3月31日までは棕櫚亭の職員として働いています。皆様遊びに来てください。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会 前理事長 天野 聖子

理事長就任の挨拶

法人本部 2016/11/25

2016年11月13日に行われました理事会の決定を受け、天野前理事長から理事長の職を引き継ぐこととなりました。ここ10年をかけて取り組んできた組織継承に、一旦の区切りが着きほっとしたと同時に、大きな役割に身の引き締まる思いです。さらに、棕櫚亭は来年で活動開始から30年を迎えます。その様な節目の年を前に、この継承が無事に行われた事をとても嬉しく思っています。

 

この30年を振り返ってみると、棕櫚亭には10年ごとに大きな事が起こります。まず、最初の10年には、社会福祉法人を設立し、通所授産施設を開所しました。法人格を取得した事で、受託できる事業も増え、提供出来るサービスの幅を増やしていきました。そして、さらにその10年後には、障害者自立支援法(現:障害者総合支援法)が施行され、棕櫚亭も、この法改正に合わせ、サービスを再編するという事を余儀なくされました。収入面でもそれまでの箱払い(年度払い)から、個別給付(日払い)に変わり、自分達の意識を「施設運営」から「施設経営」に変えていく必要にも迫られていきました。質の高いサービス提供と経営のバランスに四苦八苦しながら、法人全体が一つになってこの荒波を乗り越えたのを、昨日のように思い出します。そして、30年を迎える今、社会福祉法の改正が行われようとしています。この法改正は「社会福祉法人制度の大改革」と言われ、またまた棕櫚亭にも荒波が押し寄せてきそうです。本当に10年ごとにいろいろな事が起こります。でも、天野前理事長はこんな事をよく言っていました。「組織は10年で腐る。」この言葉を考えれば、色々反論したい事はあるにせよ、法改正も組織の活性化には必要な事なのかもしれません。ただし、そこに飲み込まれることなく、棕櫚亭らしさは大切に守っていかなければと思っています。

 

最後に少しプライベートな話になりますが、数日前に理事長交代を知った友人から、メッセージが届きました。私もそれへのお礼と、ただ旧友という事もあり、少しの不安と本音を織り交ぜた返信をしました。するとさらにこんなメッセージが送られてきました。

「あなたの仕事についてはほとんど全くと言っていいほど、知識がありませんでした。でも時折、棕櫚亭のホームページを見たりしている内に、ああ、こんな世界があって、こんな風に頑張っている人たちがいるんだと気付きました。魅力的な方もたくさんいて。だから素晴らしいじゃないですか!!そんな世界をけん引していけるという事は!!!」

この言葉は、新しい出発にまだ少し躊躇する、私の最後の最後の扉を開けてくれるものとなりました。そして、これは利用者の方々、そのご家族、棕櫚亭がこれまでお世話になった沢山の方々から頂いた言葉の様にも感じています。「棕櫚亭があってよかった。」そう思っていただける様な組織を、職員と共に創り続けていきます。これからも皆さんに助けて頂く事ばかりだと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

平成28年11月24日

多摩棕櫚亭協会 理事長 小林由美子

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