『明日に繋がる精神障がい者の就労支援を学ぶ』
精神科医療機関就労支援研修セミナー (第1回)平成23年7月14日報告
棕櫚亭研修には珍しく、午前10時から午後5時まで丸1日という長丁場でしたが、多摩地区の病院に従事されている方々18名にご参加いただきました。
☆前半のハローワーク三鷹 業務部長 坂田氏、就業生活支援センターオープナーの報告では 精神障がい者を取り巻く環境は近年大きく動いており、制度変更や雇用率達成強化の中で受け入れ企業は増え、就職者数もかなり伸びているという最新情報を含めた講義でした。
『就労準備の段階で何が必要なのか、整理できる話だった。病院デイケアで何が出来るか考えるきっかけになった』
『ハローワークの話やオープナーの支援で前向きな変化を知ることが出来てよかった』
『障害者雇用の全体像と現場の話をセットで聞けたのでわかりやすかった』(アンケートより)
☆後半のピアス見学、利用者の体験談、意見交換では 利用者像の変化を受けトレーニングも簡単な作業を取り入れるなど工夫をしてゆくことで、とりつきやすいメニューになっていること、職場が増え就職者が増えたことの報告がありました。
『実際に利用している方の話を聞けたのはよかった』
『トレーニングが構造的でわかりやすいシステムだった』
『利用者の状況がデイケアとあまりギャップがなかった。医療側が壁を作っていることもあるのではないか』
『(意見交換で)他機関の情報を聞くことができたことが良かった』(アンケートより)
≪司会のつぶやき≫
上記のアンケートにもありますように、参加者の皆様からはご好評をいただきました。最後に3グループに分かれてグループディスカッッションをしましたが、それぞれの立場で現場の抱える問題や悩み等を自由に出し合い、『時間が足りない!』との声も聞かれるほどでした。研修を開催してわかったことは、病院から見ると就職しても高望みして失敗する人や難しいからあきらめようという人が多く『就労移行施設にはハードルが高すぎてとても紹介できない』『何とか就労のニーズに応えたいがやり方が解らない』等多くの本音が聞けました。一方で地域の施設側としては、今まで統合失調症の方を多くサポートしてきましたが、最近では今まで地域で専門分野としていなかった発達障害やうつ病・神経症圏の方達への対応が非常に増えてきているという報告がありました。そのような場合は、より病院との連携が必要となってくるけどお互いが忙しく、以前のような顔の見える関係が少なくなってきているのではないかとの心配等が語られていました。その他にも様々な話し合いがもたれましたが、参加者からはもっと一緒に話し合い連携しようという意見がたくさんあり主催者側にとっても実りある研修でした。
作成 社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会
就労移行支援事業所 トゥリニテ 吉本 佳弘
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