「発達障がいをもつ方へのCES プログラム <発展編>」研修報告
平成27年2月28日に『発達障がいをもつ方へのCESプログラム<発展編>〜働く現場で必要なコミュニケーションスキルを得る為に〜』の報告会を行いました。
発達障がいの方々の利用増加が著しいピアスでは、従来のSSTでは不十分と、24年講師の中村干城氏をお迎えしてCESを導入、コミュニケーションのグループトレーニングを初めました。その後就職した方が増えたことから、25年からは卒業生のフォローアップコースも始めました。基本編、発展編と取り組みながら試行錯誤中の報告ですが、皆様の関心も高く、当日は60名の医療機関、通所施設、就労支援センター企業の方々の参加があり、アンケートも実に多くの方がびっしり記入してくださいました。
今回は<発展編>ということでCESの構造はもちろんのこと、前回の報告会後の新たな取り組みの報告となぜその取り組みが必要になったのかを講師の中村先生が独特の深くて広い語り口で解説。就労移行支援事業所ピアスからはGOOD=BADセッション、台本作りなどプログラムの具体的な内容について説明しました。スライド、シートを使用、職員、当事者との実演LIVE(ロールプレイ)などを駆使して、なかなか伝えにくいセッションの様子を初めて再現してみました。「実際の様子が良く分かった、イメージが出来た」「見学だけでは見えない部分の説明が参考になった」「運営の方法がとてもうまいと感じました。」「皆さんの暖かさが伝わってきた。当事者の笑顔も素敵でした」「今後の仕事に反映させていきたい」「発表を楽しんでいる様子が伝わった」など沢山お褒めの言葉を頂きました。
その後就労3年目のCES初期メンバーのOさんとCESを通してたくさんのご自身の気づきと変化があったNさんにお話しを頂きましたが、Oさんの「自分の気持ちを話すことが昔はできなかったが今はそれが当たり前のことになった」という言葉やNさんの「できないことをできないで終わらせないでチャレンジさせてほしい」という言葉は、ご本人達の「やってみたい!」という言葉に対してどうしても保守的になってしまいがちの支援者に対して踏み込む勇気を与えてもらえたような気がします。参加者からも「相手に言ってほしいことを先に考え、セッションに取入れるという視点が新しい着眼点に思えた」「支援者からのやってみない?の声掛け。大切な言葉を受け取った」などの感想がありました。
今回、自分で課題抽出することの難しさ、だからこそ客観的視点から出された課題へ取り組むセッションを取り入れたことを報告しました。しかし自分の今までのコミュニケーションを変えていかなければならないということは特に発達障がいの方にとっては難しい課題です。これにはご本人だけの頑張りだけではなく、職員の関わり方によってその方が気付けること、得られるものが大きく影響すると思います。CES参加者からは「CESから離れると元の自分に戻ってしまう」という不安の声が上がっています。私たち支援者がその言葉に対して答えられることは何なのか、また、ご本人たちの力で切り開いてもらわなければいけないことは何なのか、一方だけが頑張るのではなく一緒に歩んでいける方法が少しずつわかってきたように感じます。
「当事者の言葉が沢山聞けて嬉しかった。同じ内容でまた研修して欲しい」
「こういうノウハウ、取り組みを公開することは素晴らしい」
という皆さんの言葉を励みに、私達も更に内容を充実させていきたいと感じた研修でした。
文責 ピアスCES担当 本田 美咲
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