『卒業生インタビュー3』青木さん(シダックスオフィスパートナー株式会社)

法人本部 2018/06/15

卒業生インタビュー 3

今回はピアスを卒業され、現在も継続しているお仕事をされている「青木さん」と会社の定着支援担当の「大野さん」へのインタビューを実施しました。

青木さんはどのようにピアスを利用され、それが今のお仕事にどうつながっているのでしょうか?

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アクセルを踏んでしまう自分に気付きました。

青木さんシダックスオフィスパートナー株式会社

勤務期間:5年6か月

以前はどんな仕事をされていましたか?

青木さん:製造業に従事しマシンオペレーターと生産スケジュールの管理、資材の発注等を業務としていました。会社からの更なる期待に応えようと仕事を家に持ち帰らないと落ち着かず、飲めないお酒を飲んで寝る生活の繰り返しでした。そうした生活を続けるうちにうつ病を発症、仕事のプレッシャーや上司や部下との人間関係で会社に行けなくなり休職、傷病手当が終了する平成21年に退職しました。

ピアスで学んだことはどんなことですか?

青木さん:私は仕事にのめり込みやすく、ついアクセルを踏みすぎて疲れてしまうことがわかりました。再発に繋がらないように、のめり込まない様にとトレーニングでコンコンと言われました。3か月のチャレンジ雇用で実践を学び身に付けました。昔のようではダメだと思いました。

ピアスのトレーニングの厳しさが今とても役に立っています。自分自身のコントロールやどうなったらマズイかがわかったり、新しい働き方を学びました。

障害者雇用を選んだ理由はありますか?

青木さん:就活当初はオープン、クローズはあまり意識していませんでした。しかし50歳を目前にしての就活は想像以上にきびしく、クローズでは殆ど求人がありませんでした。また、オープンで、障害者雇用で働くということが割りきれずにいました。

そのような時チャレンジ雇用で国立市役所に3ヶ月間お世話になりました。その時初めて障害者雇用とはこういうものなのかと実感し、こういう働き方もあることを教えてもらいました。このチャレンジ雇用がきっかけとなり障害者雇用での就職を選びました。

その後今の仕事にはどんな経緯で就職しましたか?

青木さん:シダックスオフィスパートナー(以下SOP)が出来た1年後に入社しました。オープナーからの紹介でした。運と縁を感じました。

現在のお仕事について教えて下さい。

青木さん:事務補助です。入社当時は受け身の仕事に物足りなさを感じることがあり、モチベーションが下がってしまうことがありました。しかしステップアップのためのピアサポートを実践し、トレーナーから正社員に登用されリーダーにキャリアアップしました。職務内容は他のスタッフへの仕事の割り振りや業務の進捗管理、業務全般についての指示や指導等を行っています。また実習生の実習前の面談、指導、振り返り面談を担当しています。

SOPの社風が私には合い、肩に力を入れ過ぎることなく業務に取り組めています。残業もありません。

最近苦労されていることはありますか?

青木さん:リーダーとしての同僚とのやりとりです。渡した仕事がうまくいかないことがあったり、コミュニケーションがスムーズにとれない時、何でわからないのかと思うことがあります。こういった状況は誰にとってもつらく、いいことがありません。そんな時には傾聴を心がけています。元々の自分は聞き続けることは苦手で、ついしゃべり過ぎて答えを誘導してしまう傾向にあります。なのでまずは相手に話をさせることを意識し、しゃべり終わるまでは相槌に留めるよう心がけています。

日々の生活やご家庭とのバランスで気をつけていることはありますか?

青木さん:妻からは「家と両立させてね」と言われています。その言葉が結果として仕事でアクセルを踏もうとする自分へ、良い意味でブレーキになっています。また、再発した際リスタートのリハビリにも家事がバロメータになっています。

仕事を続けていくために努力していることはありますか?

青木さん:「毎日行くこと」です。出勤率は90%以上です。私はどちらかというと自分を追い込んでしまうので、いい意味で甘やかすことも必要と休むとそれが呼び水になってしまい、長期欠勤につながってしまうことが間々ありました。なので、「無理せず休む」から「とりあえず行こう」と考えを変えました。

調子がよくない時は音に敏感になります。上司と相談し耳栓を使用しています。こうしたささいな不調のサインを上司に相談することで、大きく体調を崩すことなく働き続けることができています。

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大切なことは「セルフケア」「セルフコントロール」をご自身で実践することです。

大野さん(シダックスオフィスパートナー株式会社)

青木さんの印象を教えてください。

大野さん:明るく、仕事や人付き合いに対してまじめで、一生懸命な方です。周りの方には父親的存在で、愛情持ってリーダーとしての務めをされています。また、ご自身の障がいと向き合って入社時から徐々に体調を崩すことが少なくなってきており、セルフケアができるようになっています。

会社で行っているサポートはありますか?

大野さんもともと努力家で仕事の能力をご自身で高めていこうとする方なので、業務の進め方はお任せし、こちらは進捗チェックやサポートにしています。

また、体調・メンタルを崩される「前」は行動や考え方に予兆が見られるので、こちらから「セルフケア・セルフコントロールの声かけ」、それでも難しい場合は「ストップをかけるよう」にしています。

特に生活面は支援機関とのつながりが大切なので、必ずご自身から支援機関につながるようにお伝えをしています。

精神障害者の定着について、会社としてのお考えはありますか?

大野さん≪不安感の軽減を図り、やりがいに配慮し、モチベーションの維持・向上を継続すると共に、キャリアアップの実現を目指す≫

当社ではこの考え方に基づいて運営しています。

また、当事者は職業準備性(働くにあたって仕事をするスキルや考え方)が整い、支援機関との連携に前向きでヒューマンスキル(主に対人関係構築スキル)の向上を意識できる人はより定着できるものと考えています。会社としましてもヒューマンスキルの向上を目指したグループワークを取り入れ、皆さんで意見交換しています。そこから社員間の相互理解につながりトラブル等発生しない要因になっています。(1回/月)

これから働きたい精神障害のある人たちへメッセージをお願いします。

大野さん:当たり前ですが、就労の大前提は「出勤率が高く、長く働けること」です。ただし、体調・メンタルは波もあります。大切なことは「セルフケア」「セルフコントロール」をご自身で実践することです。

しっかり「何故働きたいのか?」と毎回目標を見て、セルフケアを大事にすれば、きっと今後の就労に繋がります。また、「仕事が生活を支えている」と考えていただいたほうが、仕事に対する向き合い方がより真剣になれると考えています。

協力: シダックスオフィスパートナー株式会社
インタビュー: 2018年5月

もくじ

(株)新陽さまよりご寄付いただきました

なびぃ 2018/06/13

先日、国立市中にある(株)新陽さまから、ご寄付をいただきました。

新陽さんは地元で長年不動産業をやっておられます。なびぃでは、メンバーさんの一人暮らしの物件探しをお手伝いすることがしばしばあります。そんなとき、親切に対応してくれる不動産屋さんの存在は不可欠です。これまで何人もの方に紹介していただいたご縁があり、このたびご寄付いただく運びとなりました。

ここ何年も、精神科長期入院の方の地域生活への移行が、国の施策に謳われています。なびぃも、退院したいというご本人の希望に沿って、地道に支援を重ねていますが、その物件探しのなんとたいへんなこと!ご本人がどれだけ健康管理をがんばっていても、物件探しのストレスで調子を崩すことが少なくありません。収入の壁、保証人の壁、そして病気に対する偏見の壁が、どーんどーんと立ちはだかります。そんなとき頼りになるのは、大家さんとの間に入ってくれる不動産屋さん。「地元なので信用が一番です」とおっしゃる社員の萩原さん。わたしたちもそうです、信頼関係が大切ですよね。これからもお世話になりながら、なびぃは、お一人お一人の地域生活の応援をしていきます。

新陽さん 濱口社長さんと萩原さんとで、なびぃに来所してくださいました。

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ピアスに新しい職員が来ました!!

ピアス 2018/06/07

今年度からピアスに加わった新しいスタッフをご紹介します。個性派ぞろい!みなさま、よろしくお願いします。似顔絵は絵の得意な中野さんが描いてくれました。

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4月からピアスに異動してまいりました中野裕介です。昨年棕櫚亭に転職し、一年間は「棕櫚亭I」に勤務、異動してからは環境整備部門で働いております。

和歌山県出身、ふたご座、趣味は音楽(特にビートルズとピンクフロイドをこよなく愛し、ギター、ベースを弾いたり、歌ったりもします)、その他には絵を描いたり、映画を観たり、TBSラジオを聴いたり、ウォーキングしたりなど、色々と嗜んでおります。

福祉のお仕事での経験は浅いですが、楽しみながら頑張っていきたいと思っております。できるだけ早くメンバーさんの就職の手助けができるよう、知識やスキルをアップしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

中野裕介

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1年半の育休を終えピアスに戻ってきました。厨房の担当になり分からないことばかりで、日々奮闘しています。仕事が終わって電車に乗るとホッとする毎日です。とはいえ、住み慣れたピアスなのでとても心地よく楽しく過ごしています。

1回目の産休に入る前に「字を練習して、きれいな字が書けるようになって戻ってきます」と宣言したのですが…  あれから3年半、結局何をする事もなく戻ってきました。なので、これから少しでも努力したいと思っています。

そして個人的な目標は、しばらく行けてなかったダイビングに今年は行きたいな、と思っています。これから夏に向けて楽しみのひとつです。

というわけでこれからまた棕櫚亭で頑張りますのでよろしくお願いします。

野口 梓

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みなさん、こんにちは。
4月から非常勤として勤務している森岡です。
昨年度、精神保健福祉士の実習でお世話になったことがきっかけで今年度から週2日ピアスで勤務しています。
現在は大学4年生で社会福祉学部に通っています。4年生ということもあり、卒業論文や実習もありバタバタの毎日を送っています。
趣味は動物園に行くことです。さる山で思い思いに過ごしているおさるさんたちを眺めるのがすきです。
ピアスでは厨房に入ることが多いです。2カ月経った現在もまだまだわからないことばかりで、みなさんに教わりながら頑張っています。
これからもみなさんに教わることが多いとは思いますが、成長できるように精進してまいります。
みなさんと一緒にトレーニングをしたりお話をしたりと、ピアスでの時間を大切に過ごしていきたいと思っています。
ピアスのこと、みなさんのこと、もっともっと知りたいので色々教えていただけると嬉しいです。是非、気軽に声をかけてください。
よろしくお願いします。

森岡純加

SSKP はれのちくもり ピアス通信24号発行しました

ピアス 2018/06/07

SSKP はれのちくもり ピアス通信24号を発行しました。

ピアス通信24号

今号の内容は・・・

  • 平成30年度 ピアス ご挨拶
  • 退職・異動の職員ご挨拶
  • 支援者座談会 ~就労までの支援の道のり~

等となっています。ぜひご覧ください。

なびぃ通信6-7月号 特集>家族の介護を考える

なびぃ 2018/06/06

今回の特集は、このところ、みなさんのお話の中で少しずつ増えている「家族の介護」です。

実際にご家族の介護と向き合う三人のメンバーによる座談会の様子を記事にしました。

ご自分の病と付き合いながら介護という大きな仕事を抱えるということが、これほどまでに簡単に人を孤独にしてしまうものなんだと、お話を聞いて痛感しました。でもその一方で、その家族との濃密な時間の中に、涙だけではなく、笑いがあり喜びがあります。

なびぃはこれからもみなさんと一緒に悩み考え続けたいと思っています。

6-7月1面予定6-7月2345面特集6-7月6面お知らせ6-7月7面報告会6-7月8面カレンダー

 

 

 

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《最終回》 『往復書簡 1 – 櫻井博 と 荒木浩』 Part ⑯ “半年の往復書簡を振り返って 対談編”

法人本部 2018/05/31

往復書簡 01 荒木浩と櫻井博

往復書簡を終えるにあたって

半年にわたってお届けいたしました「往復書簡」も、今回の「対談編」でいったんの区切りをつけさせて頂く事になりました。お読みいただいた方、お声かけいただいた方、本当にうれしい気持ちで一杯です。あまりに多くの方が声をかけてくれるので恥ずかしさ半分の複雑な感情も私たちにはあります。

うしろ髪をひかれる思い(笑)で、今回の幕引きをしなければならないのですが、締めるにあたって二人で話したことを文字におこしてみました。「対談」とはいうもののこの先の文章は、ある意味、私たち二人のささやかな共同決意表明でもあります。ここまできたら、最後まで辛抱してお付き合いくださるとうれしいです。

このような時代、もっと考えていきたい! 発言していきたい!

今回、法人のホームページといういわば公の場での書簡となりましたが、あくまでも二人の個人的な意見なので、たくさんの「異論」はあったかと思います。それは、私たちのねらいでもありました。「異論を巻き起こす」つまり往復書簡を読んで心に引っかかりを感じたり、ちょっとした違和感を覚えたり、少しでも考えたりしていただければ嬉しいと二人で考えていました。

今の時代、つまり、テレビ、インターネット、SNSといった情報媒体が社会の中で猛威を振るってくると、「情報を知っている」ことこそが大きな価値であるという考えに、私たちは陥りがちです。更にその結果として、「考える」という意識が希薄になってくることも往々にしてあります。

例えば、最近話題のN大学のアメフト部の危険タックルの問題など、テレビでは連日連夜放送されています(もしかしたら、この記事をUPしたときには下火になっているのかもしれませんが)。繰り返し流される映像を見て、「知っているけれど、あれはひどい」「あれはスポーツではない」などの意見が出るでしょう。それは私たちも同じです。結果的に「N大学への批判感情」も声としてあがってくるのも仕方のないことかもしれません。これは世論の大勢を占める意見になっているのだという印象があります。

しかし感情的なことばかりで意見を言っても、一向に物事の本質が見えてこない、前向きにものごとがすすまないという話を二人でしました。

荒木:櫻井さん、それにしても最近のニュースは、どのチャンネルを見てもN大アメリカンフットボールのラフプレーネタばかりですね。スポーツ好きの櫻井さんは、怒りが止まらないのではないですか?

櫻井:勿論、あのタックルはスポーツとしてあり得ない出来事ですね。暴力的でもあり、あってはならないことだと思います。しかし、その後、危険行為をした選手が記者会見で謝罪した映像を見て、彼には今後の長い人生につなげてほしいなぁとも思いました。

荒木:なるほど、そうですね。確かに起こったことはもう取り消せないので、彼自身が将来に生かしていく、彼を支援するという視点は大切ですね。しかし、そういう意味で大学や関係者の対応は最悪でしたね。

櫻井:確かに最悪だと思いました。選手個人がカメラにさらされる中、大きな組織が守ってくれないということには憤りを感じました。と同時に、今回の出来事から、ほかの教育の現場や組織が、もう少し大きな声をあげても良いとも感じました。つまり、N大の問題という枠を超えて、大学機関が今回の出来事を受けて、問題点を明らかにし、将来に向けてそれを提起をしても良いのではないかと思いました。

荒木:なるほど。教育の現場が、子どもを守らず、きちんと物事を筋道立てて説明せず、まるで企業防衛的な発言ばかりを繰り返したことが大きな問題だということですね。問題があると言えば、メディアの取り上げ方もそうだとも思うのですが…

櫻井:起こった出来事の表面ばかりを繰り返して報道されるメディア情報も、私たちのニーズからきていると考えると、結局、私たちの意識も変えなければいけないのかなぁとも感じます。気をつけてメディアと付き合わなければ「考える」という行為を妨害されているような気持ちに、私などはなってしまうのです。

確かに、身近にいろいろな情報が手に入るこの時代は、ある意味風通しが良いという面をもっています。しかし、情報を、右から左に流すのではなく、一度せき止めて、「問題の本質を考えること」や「今後問題をどのように生かすか」といった視点で考えたいという話を二人でしました。そして、いろんな角度で発言できるようになりたいとも話しました。

当事者を意識して社会をみていきたい! 発言していきたい!

先ほどメディアの取り上げ方の問題にふれたとおり、私たちのニーズ、つまり、私たちの興味の方向にメディアは向いています。このことを考えると、例えば原発の問題などが取り上げられなくなってきたことは、メディアだけの問題だけではなく、私たちの興味関心が薄れてしまったことの表れだという話もしました。何かあるとワーッと報道され、人々が口にする単語。「東日本大震災」「福島第一原発」「メルトダウン」「大熊町」「マイクロシーベルト」等、沢山の単語が瞬間的に飛び交いますが、やがて意識の中から消えていきます。忘れるという行為を繰り返していくのが人なのかもしれませんが、それではいけないという反省を二人でしました。

荒木:精神保健の現場で働いている者として、この分野に常に関心を持っていなければいけないことは当たり前なのだけれども、櫻井さんは新聞をよく読んで勉強していますね。見習わなければ。

櫻井:昔からの癖が抜けないという感じがありますが、体調によっては集中力がもたないことがあります。どうしてもネットニュースではなく、新聞ということになりますが、新聞各社によって同じ記事の取り上げ方でも違う意見だったりするのは興味深いです。

荒木:なるほど、東日本大震災直後の原発問題に対する報道姿勢は福島県民の立場に立つと…いうような論調で概ね同じような論説が並んでいましたが、その原発の延長線上にあるエネルギー政策に対する考え方は「危険な原発はいらない」「資源のない日本に(安全な)原発は必要」などと意見が分かれているようです。

櫻井:「当事者(福島県民)の立場に立つと…」という視点は大切だと思うのですが、こういった議論が続く中で、いつの間にか当事者ということがすっかり置き去りにされてしまうことがありますよね。そして「当事者の立場に立つと…」という枕詞は、注意して見聞きしなければいけない言葉で、感情を煽(あお)るような使い方をされるような気がします。

荒木:ありがとうございます。以前の往復書簡の中で、少しそのようなことを私は書きましたね。「私は(精神障がい)当事者ではないが、できる限り当事者に思いを馳せられるようにはなりたい」と。なかなかエラそうなことを書いてしまいましたね。

ところでそうなると、私はいったい何の当事者なのだろうか?と考えました。その当事者の立場できちんと発言・行動できているだろうかと反省しました。

櫻井:私は、今後も精神障がい当事者として発信していくことは勿論ですが、例えば、年老いた父と生活する子という当事者の立場で、高齢者福祉のこと等たくさん語ってもよいのだとも思いました。

この文章を読んでいる皆さんはどのように考えましたか?二人で話をしたのは、病気とか障がいだとかに限らず、私たち誰もがいろんな形でなんだかの当事者として存在しているのではないかということです。そうでなくては社会のあらゆる問題を知る・考える必然性はありませんし、そんな新聞やニュースに触れる必要はありませんよね。
ただし、少しだけ気をつけなければいけないのは、自分がその当事者として立場(主観)で考えているのか、当事者に寄り添いたい(客観)と考えてなのか、きちんと区別することかもしれませんね。境界は難しいのですが。

書簡を通じてコミュニケーションの楽しさを知る

この半年間書簡を通して、二人でいくつかの話題を話してみました。お互いの考えの一致する点・全く異なる点、はたまた感心する点等、いわゆる普段の職場だけの関係では語りつくせなかったことが、書簡というツールを通じて交わせたような気がします。そして、コミュニケーションの楽しさに改めて感じ入ることができました。

じっくりと書き込むという「書簡の醍醐味を味わった」といったところでしょうか。

勿論、代償として自宅で遅くまでパソコンと向き合わなければいけなくなってしまいましたが…

そして、この書簡は、思わぬ形で読者の方々とのコミュニケーションにもつながったような気がします。はじめにも書きましたが、たくさんの方々にお声かけいただき、会話のきっかけにさせていただきました。

本当に感謝したいと思います。

荒木:今回、このような場で、言いたい放題させてもらえてけれど、楽しかったですね。

櫻井:疲れたけれど、心地よい疲れみたいな感じですね。「コミュニケーション」ってこういう感じなのでしょうかね。

荒木:ウーン。確かに、書くことには責任も生れるし、心の開放だけではありませんよね。

櫻井:でも楽しかった。このくらいのやり取り(コミュニケーション)で言いたいことがすべて伝えられるわけでもないですけれども。まぁ、それでも自分たちの意見が率直に言えるようなそんな社会にしたいなぁと思いました。ちょっと大げさかなぁ。

二人:(笑)

2018年5月吉日
多摩棕櫚亭協会 本部にて

櫻井博 と 荒木浩

荒木浩 と 櫻井博

 

最後に

読者のみなさんにはお付き合いいただき、重ねてお礼申し上げます。

そして、写真撮影などにお力添えいただいた、アーガイルデザインの宮良さんにも感謝申し上げます。

「またエネルギーがたまったら書簡やってみますか?」

「やらせてもらえますかね?」

「本当は当分そんな気持ちにはならないでしょう?今はね!(大笑)」

(了)

 

「手紙」を交わすふたり

櫻井 博

1959年生 57歳 / 社会福祉法人多摩棕櫚亭協会 当事者スタッフ(ピアスタッフ)

大学卒業後、職を転々としながら、2006年棕櫚亭とであい、当時作業所であった棕櫚亭Ⅰに利用者として通う。

・2013年   精神保健福祉士資格取得
・2013年5月  週3日の非常勤
・2017年9月  常勤(現在、棕櫚亭グループ、なびぃ & ピアス & 本部兼務)

荒木 浩

1969年生 48歳 / 社会福祉法人多摩棕櫚亭協会 ピアス 副施設長

福岡県北九州市生れ。大学受験で失敗し、失意のうち上京。新聞奨学生をしながら一浪したが、ろくに勉強もせず、かろうじて大学に入学。3年終了時に大学の掲示板に貼っていた棕櫚亭求人に応募、常勤職員として就職。社会はバブルが弾けとんだ直後であったが、当時の棕櫚亭は利用者による二次面接も行なっていたという程、一面のんきな時代ではあった。
以来棕櫚亭一筋で、精神障害者共同作業所 棕櫚亭Ⅰ・Ⅱ、トゥリニテ、精神障害者通所授産施設(現就労移行支援事業)ピアス、地域活動センターなびぃ、法人本部など勤務地を転々と変わり、現在は生活訓練事業で主に働いている。

・2000年   精神保健福祉士資格取得

もくじ

 

Photography: ©宮良当明 / Argyle Design Limited

6月の予定をお知らせします【絵画展やります!】

棕櫚亭Ⅰ 2018/05/28

 

歓送迎会や大掃除などばたばたとした一か月も過ぎ、あっという間に6月も目前となりました。

6月は、毎年恒例『絵画展』を行います(^O^)
毎年ピアスⅡで行っていたのですが、今年は「国立市社会福祉協議会さんが入っている福祉会館」をお借りすることになりました!
チラシが完成次第またお知らせさせていただきます(*^_^*)

写真は去年の絵画展の様子です!
HP用⑨ HP用②

今年度も力作ぞろいの予定なのでたのしみにしていてください(^^)/

ひとまず6月の予定をお知らせします♪

6月の予定表はこちら→6月月間予定表

 

 

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【お詫び】往復書簡最終稿は5月31日公開です

法人本部 2018/05/27

いつも往復書簡をお読みいただきありがとうございます。

5月30日公開予定していた最終稿ですが、業務の都合により遅れています。申し訳ありません。

5月31日公開を目指して鋭意準備中です。今しばらくお待ち下さい。

櫻井 博 ・ 荒木 浩

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職員研修 映画上映会を行いました!

研修会 2018/05/23

5月16日(水)に職員研修として映画上映会を行いました。映画は、「さとにきたらええやん」です。

この映画の中の「さと」は子ども、障がい者、高齢者‥という分け方を超えて、地域全体を包み込みながら自然に支え合う場になっています。支援はこういう形もあるのだということを気づかせてくれます。私は、この映画を棕櫚亭の職員にぜひ観てもらいたいと思いました。また、この機会に近隣の福祉系施設の職員の方にも観ていただき、交流の場にできればと思い、一緒に観た前理事長の天野さんと企画を提案させていただきました。

法人内で手分けして近隣の施設へお知らせをし、結果的に26名もの方が参加されました。法人内からは24名の参加があり、2Fいっぱいを使ってにぎやかな会になりました。

当日は、職員の協力で軽食用のおにぎりも作り、参加した方に食べていただいて和気あいあいとした雰囲気。上映中も観ている方がどんどん映画に引き込まれていく感があり、さすが対人援助に関わる人の集まりだなと、うれしくなりました。

上映後、参加していただいた方からは、「参加できてよかった」、「これを刺激に自分の支援の形を考えて行く良い機会にしたい」、「この映画を観て感じたことを職場にも持ち帰り共有したい」、また、この場を設けたことへの感謝の言葉もいただきました。私は、開催できてよかったと思いましたし、感謝の気持ちでいっぱいになりました。これで終わることなく、近隣の方たちとの交流の場を継続的に持ちたいと思いました。

参加されたみなさま、ありがとうございました。

ピアス 増田 静枝

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賛助会通信「はれのちくもり」平成30年5月号発行しました

法人本部 2018/05/23

多摩棕櫚亭協会 賛助会通信「はれのちくもり」第99号(平成30年5月号)を発行しました。

賛助会通信30年5月号

主な内容は

  • 新年度のご挨拶
  • 法人報告会のお知らせ(6月23日)
  • 地域貢献
  • 各施設のご紹介、予定

です。是非ご覧ください。

また、賛助会へのご入会につきましては、こちらのページをご覧ください。

賛助会へのご入会

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