「年の瀬に思うこと」天野理事長コメント掲載

法人本部 2015/12/28

世代交代が進む現場では
若い職員達がいろいろなことを吸収して
大きく伸びようとしています

1年はあっという間ですが平成27年も実に足早に通り過ぎていったという感じがします。
思えばその前の年、大規模修繕を終え、綺麗になったピアスで、6年ぶりの活動報告会を行ったのが6月です。自立支援法正以来追い立てられるような流れの中、地域の諸問題からかけ離れてきたのではないか。ただの就労支援事業所になってしまっているのではないか、そんな思いでいたところ、今度は社会福祉応の改正が出てきて、社会福祉法人の体質改善と共に地域貢献が取り上げられ、私達の心配も先どりされる時代であることに臍をかむ思いをしたところです。
更に国の規制緩和による営利法人の参入が精神障害者のサービスに及んでまさに(市場原理主義という言う一匹の妖怪が現代の先進資本主義を跋扈している)という状況になり、個別支援最先端のピアスも影響を受けました。10人が就職した9月以降は珍しくピアスの利用者数が伸び悩み 収入も赤字で折り返したのです。

それでも新しいパンフレットやDVD、掲示板ポスターなどが効を奏したか、今まで作ってきた地道なネットワークの賜物か11月からはまた見学者が引きもきらない状態になって盛り返し中です。お客様は新しいお付き合いも多いのですが、昔から精神障害者支援を続けている人も見え、旧交を暖める嬉しい時もあります。

生活支援も今年は厳しい状況の方が多く、突然の再発や高齢化による体調悪化の対応、果ては虐待ケースもあり、忙しい中にも考え悩む職員の姿が見られました。
人事考課導入を決定した今年は6月から、コンサルタントの方に新組織を作る為の基盤である(人事賃金制度改定)の為の毎月の研修を受けています。そろそろ実務に入りますが、予想はしたものの何事もあいまいなまま笑顔とやる気だけで乗りきってきた棕櫚亭にとっては、難しい課題の連続で、特にリーダーにとっては大きな変化を迫られています。

この間お伝えしていますが、人材育成として天野ゼミを開催、私も本気で職員向けの講義を繰り返しました。素直で元気な人の多い棕櫚亭では、真剣な学習欲もたっぷりありますが、飲む機会やイベントの企画力もあり、皆で運動会までして遊んだりもしています。(仲のいい組織ですね)と外部の講師に言われましたが、これが利用者の方々に影響しているのか、利用者の方同士の中のよさも格別で、就職準備に追われながらも(今が青春です)と、楽しそうな様子が随所に見られます。

世代交代が進む現場では若い元気な職員達が先輩に習いながら いろいろなことを吸収して大きく伸びようとしています。それを引っ張る先輩や次世代リーダー達も降りかかる火の粉を払いながらの組織作りに余念がなく、消化仕切れないまま飲み込みつつも新しい課題にも果敢に取り組むという気概でまとまってきました。組織は30年で腐ると聞いていましたが、ここで屋台骨を変えながら大きくリニューアルしていけばこの先10年はいけるかもという嬉しい予感の年の瀬です。

社会福祉法人多摩棕櫚亭協会
理事長 天野 聖子

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