ピアス 尾崎
10月10日、東京YMCA医療福祉専門学校にて、ピアスについての講演を行ってきました。
棕櫚亭と東京YMCA学院さんとのお付き合いも長いもので、毎年、今回のように作業療法科の学生さんに向けてピアスの話をしに出向いたり、棕櫚亭Ⅰの活動やオープナーの談話室に参加してもらったりしています。地域に暮らす当事者や就労に取り組むメンバーと直接関わって声を聴いてもらうことで、学びの一環としてもらっていると共に、ピアスとしては、一人のメンバーがピアス代表として外で話す大舞台の機会でもあります。
今回は、ピアスメンバーの佐々木さんに声をかけて、二人で作業療法科2年生の授業にお邪魔しました。
毎年当日は学生さん全員がお弁当を注文してくれます。ピアスの厨房で丹念に作り配達した弁当は、「盛り付けや手作りの箸袋が素敵」「丁寧に作られている味がして美味しい」と、とても評判でした。
授業では、まず職員の尾崎より、ピアスの概要を説明しました。どのような人がピアスを使っているのか、就労に向けての実際の取り組みなどを話しましたが、「ピアスの魅力を伝えたい!」と熱が入り、少々話しすぎてしまったことが反省です・・・。
続いて佐々木さんにご自分のことについて話をしてもらいました。今回のために、就労プログラムで書いた「4分間スピーチ」のプレゼン原稿に肉付けをして準備したものは、10分間に及ぶ大作となりました。ピアスに来るまでの生い立ちや、就職してから病に苦しんだ話から始まり、現在ピアスで取り組んでいる具体的なことや将来の夢について語る姿に、学生さんたちは身を乗り出しながらも静かに聞き入っていました。
~佐々木さんの感想~
「ピアス代表として声がかかったのは意外でしたし、学生の前で話すと聞いて、最初は堅苦しいイメージがあったのですが、皆さん年齢も近く、同じ趣味の人もいて、親しみを感じました。僕も、なんでも質問してOKです!と、できるだけフラットに、親しみやすく話すように意識しました。最初は緊張でガチガチでしたが、喋っているうちに楽しくなってきて、終わった後はスッキリしました。ピアスではあまり口に出したことのないようなことも言葉にしてみましたが、話すことが好きだなと再確認できました。」
また、学生さんの感想を読ませてもらいましたが、実際の現場の話やメンバーの語る言葉は皆さんにとても響いていたようです。それぞれ自分のことに置き換えたりしながら、病を持つということや働くことに想いを巡らせ、自らが支援者としてどのような場所で、どのように働いていくのか、少しでも考える機会の一つとなれたのであれば嬉しいなと思います。
同じ作業療法士として、これから進路を考えていく学生さんたちに向けて話す中で、自分が地域で働こうと思ったきっかけを思い出し、初心に帰る思いでした。卒業後は医療分野に進む作業療法学生が多いですが、今回のような機会を通じて、地域に暮らし、就労に向けて歩んでいるメンバーの等身大の姿や、その明るさや魅力に触れてもらえたら、医療現場での関わり方も少し変わっていくのではないかと期待したいとも感じました。