理念

発信し 提言し 推進する|ヴィジョン|多摩棕櫚亭協会

精神障害に偏った考えが根強くあった30年前に

精神病院からの退院者を一人でも多く迎え、地域で活き活き暮らして欲しいと、棕櫚の樹に囲まれた一軒家を借りて共同作業所を始めたのは1987年(昭和62年)です。精神障害者は根強い偏見にさらされ、一度入院したらなかなか退院できず、まだ地域にも社会資源が少なかった時代です

明るく 元気に 美しく

私たちのモットーに “明るく 元気に 美しく” を掲げ、誰も再発しないよう工夫を重ねながら、ゆったりとした時間の流れる安全な場を作ってきました。食事を一緒にとることと仲間作りを軸に、10年間に3か所の共同作業所を作った後、社会で働きたいというメンバーの切実な思いを受けて、1997年社会福祉法人多摩棕櫚亭協会を設立、通所授産施設ピアスを立ち上げました。ピアスの10年の実践の後、国事業の就業・生活支援センター・オープナーを受託し、職場開拓から就職後までエンドレスな支援を続けています。
一方で就職希望ではない方々のために、生活支援センターなびぃを設置し各種の相談に乗っています。長い引きこもりの方や病状安定のために毎日通うところが欲しいという希望に対しては発祥の地である棕櫚亭Ⅰがきめ細かいプログラムを用意しています。

さまざまな活動

この間働き続けている人達が、講演に呼ばれ、病気と回復について話す機会も増えました。当時者シンポジウムも毎年行ない、法人の中でも当時者職員が働くなど、この勢いと力は30年前に比べ信じられないほど大きく力強くなりました。最近では自分たちの今後を自分達で考えようと「暮らし」と「年金」などの学習会も始まりました。
本体事業のほかにも病院に出向いて働くことを諦めないでという呼びかけをしたり、発達障害の方々のプログラムを作ったり、病気や制度の研修や学習会を行なったり、漫画を出版したりさまざまな活動を続けています。ここ数年は地域の高齢者のお宅へ夕食宅配も始めました。

1ミリもぶれることなく精神障害者一人ひとりの幸せ実現を

大きく言えば誰が病気になっても絶望しない、回復したり働いたりする暮らしを諦めないという社会を目指してゆくことが私たちの願いです。時にその壁の高さに目が眩むことがありますが、私たちの理念から 1ミリもぶれることなく精神障害者一人ひとりの幸せ実現と地域を創造することをめざして行きます。

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